整体と整形外科の違いとは?|整骨院・接骨院も含めて徹底解説
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤矯正と下半身の構造改善を得意とする。
腰や膝が痛くなったとき、整形外科に行くべきか、整体に行くべきか。そもそも整骨院と接骨院は何が違うのか。
看板の名前は似ているのに、中身の違いを正確に説明できる人はほとんどいません。実際、「違いが分からないまま、なんとなく近い場所を選んでいる」という方が大半ではないでしょうか。
この違いを知らないままだと、本来まず医療機関で確かめるべき症状で遠回りをしたり、保険が使えると思っていたら使えなかったり、期待と違うサービスにお金と時間を使ったりすることになりかねません。
逆に、それぞれの役割と得意分野を知っていれば、症状に応じて最短の選択ができるようになります。
この記事では、国家資格である柔道整復師の資格を持ち、整体院を10院運営する立場から、整形外科・整骨院(接骨院)・整体院の違いを、資格・できること・保険・選び方の順で、業界への忖度なしに解説します。
3つの違い早見表

まず全体像です。細かい説明の前に、この表だけでも大枠がつかめます。
| 項目 | 整形外科 | 整骨院・接骨院 | 整体院 |
|---|---|---|---|
| 施設の種類 | 医療機関 | 施術所 | 民間のサービス |
| 担い手の資格 | 医師(国家資格) | 柔道整復師(国家資格) | 法律上の資格制度なし |
| 診断 | できる | できない | できない |
| レントゲンなど画像検査 | できる | できない | できない |
| 薬・注射・手術 | できる | できない | できない |
| 健康保険 | 使える | 急性のけがに限り使える | 使えない(全額自費) |
| 主な役割 | 診断と医療 | けがへの施術 | 体の調整・慢性不調のケア |
ポイントは3つあります。診断・画像検査・薬や手術は医師だけができること。整骨院と接骨院は名前が違うだけで中身は同じであること。
そして整体院には法律上の資格制度がなく、施術者の力量の幅が最も大きいこと。ここから、それぞれを詳しく見ていきます。
そもそも、なぜこんなに紛らわしいのか。「整形外科」「整骨院」「整体院」と、どれも「整」の字を含み、看板の雰囲気も似ているためです。
しかし中身は、医療機関・国家資格者の施術所・資格制度のない民間サービスという、制度上まったく別の3層です。名前の似ている順ではなく、制度の階層で覚えるのが、混乱しないコツです。
整形外科とは 診断と医療の場所

整形外科は、医師が骨・関節・筋肉・神経といった運動器を診る医療機関です。最大の特徴は、診断ができる唯一の場所だということ。
問診と診察に加えて、レントゲンをはじめとする画像検査や血液検査を組み合わせ、痛みの原因が骨折なのか、椎間板の問題なのか、関節の変形なのか、あるいは内科の病気が隠れているのかを特定できます。
そのうえで、薬の処方、注射、手術、理学療法士によるリハビリテーションといった、医療としての手段を持っています。
健康保険が使えるため、自己負担は原則1〜3割です。
次のような場合は、整体や整骨院より先に、整形外科を受診してください。転んだ・ぶつけた・ひねったなどのけがで強い痛みや腫れがある。
手足のしびれや力の入りにくさを伴う。夜、じっとしていても痛む。
発熱や体重減少を伴う。原因の見当がつかない痛みが初めて出た。
これらは、まず原因の特定が必要な状態です。原因が分からないまま体を揉んだり整えたりするのは、順番として危険だからです。
一方で、整形外科に対して「レントゲンを撮って湿布と痛み止めだけだった」「様子を見ましょうと言われただけ」という物足りなさを感じた経験のある方も少なくないはずです。これは医療の手抜きというより、役割の違いです。
整形外科の第一の仕事は、危険な原因の除外と医療が必要な状態への対応であって、慢性的なこわばりや姿勢のクセを時間をかけて整えることは、保険診療の枠組みでは提供しにくいのが実情です。
だからこそ「異常なし」と言われた後の受け皿として、次に説明する施術系の選択肢に意味が生まれます。
整骨院・接骨院とは 同じもの、けがの専門家

まず多くの方が疑問に思う点から。整骨院と接骨院は、名前が違うだけで中身は同じです。
どちらも、柔道整復師という国家資格を持つ施術者が開設する施術所で、法律上の正式な呼び方は「ほねつぎ」または「接骨」に由来します。
柔道整復師は、3年以上の専門教育を受けて国家試験に合格した資格者で、骨・関節・筋肉のけがに関する専門知識を持っています。
医師ではありませんが、無資格でもありません。「接骨院の先生は医者なのか」という疑問への正確な答えは、「医師ではないが、国家資格を持つけがの専門家」です。
健康保険については、正しく知っておいてほしい大切なルールがあります。整骨院・接骨院で保険が使えるのは、骨折・脱臼・捻挫・打撲・肉離れなどの急性のけがに限られます(骨折・脱臼は応急手当を除き医師の同意が必要です)。
つまり、慢性的な肩こりや腰痛、疲労、姿勢の悩みに対する施術は、本来保険の対象外です。この線引きは意外に知られておらず、慢性症状でも保険で通えるかのような案内をする一部の院の存在が、業界全体の信頼を下げてきた歴史があります。
かかる側としては、「けがは保険、慢性は自費」という原則を知っておくと、適切な院を見分ける物差しになります。もし慢性的な肩こりの相談なのに「保険でいけますよ」と案内されたら、それは制度の趣旨から外れたグレーな運用の可能性があります。
安く通えてお得に見えても、いつどこでどう痛めたかの記載を求められるなど、かかる側も不正確な申請に関与するリスクを負うことになるため、慢性の悩みは自費と明示している院を選ぶほうが、長い目では安心です。
また、整骨院・接骨院ではレントゲンは撮れません。画像での確認が必要と判断される場合は、医療機関に紹介するのが正しい対応です。骨折を見逃さないために医師との連携を大切にしているかどうかは、良い院を見分けるポイントのひとつです。
整骨院で実際に受けられる施術の中身も紹介しておくと、手技によるけがへの対応(整復や固定)、患部への電気や温熱の機器、テーピング、回復期の運動指導などが中心です。
なお、「接骨院は何科に当たるのか」という質問をよく受けますが、医療機関ではないため「何科」という分類自体がありません。
病院の中の診療科と、施術所という別のカテゴリーだと理解してください。似た名前の「形成外科」とも混同されやすいのですが、形成外科はやけどの痕や皮膚のできもの、生まれつきの見た目の課題などを扱う医療機関の診療科で、骨や筋肉の痛みを扱う整骨院・整形外科とはまったくの別分野です。
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整体院とは 資格制度のない、幅の広い世界

整体院には、実は法律上の資格制度がありません。極端に言えば、明日誰でも「整体師」を名乗って開業できます。
民間のスクールや協会が発行する認定資格は多数ありますが、国家試験のような統一基準はなく、施術者の知識と技術の幅は、この3つの中で最も大きいのが実情です。健康保険は使えず、全額自費。
診断や医療行為はできません。
ただし、これは「整体=すべて怪しい」という意味ではありません。整体院の中には、柔道整復師や理学療法士、鍼灸師といった国家資格者が、保険の枠にとらわれない施術を提供するために自費の整体院として開業しているケースも多くあります。
慢性的な肩こりや腰痛、姿勢や体の使い方の改善といった、医療機関では手が回りにくく、保険制度の対象にもなりにくい領域を担っているのが、整体の実際の役割です。
資格制度がないからこそ、どんな経歴・資格の施術者が、どんな検査と説明にもとづいて施術するのかを、かかる側が確かめる必要があります。
見分け方の詳細は本当に良い整体の選び方で解説しています。初めての方は整体が初めての方向けの記事も参考にしてください。
混同されやすいリラクゼーションマッサージ店との線引きにも触れておきます。もみほぐしなどのリラクゼーションは、その時間の心地よさと癒やしが目的のサービスです。
一方、整体を名乗る院の多くは、体の状態を確かめて、不調の背景にある姿勢や関節の動きに働きかけることを目的に掲げています。
ただし前述のとおり資格制度がないため、看板は整体でも中身はリラクゼーションに近い店から、国家資格者が検査にもとづいて行う院まで、実態は連続的です。
目的が癒やしなのか改善なのか。自分がどちらを求めているのかを先に決めると、店選びのミスマッチが減ります。
症状別 どこへ行くべきかの考え方

それぞれの役割が分かったところで、実際の選び方を整理します。判断の原則はシンプルで、「原因がはっきりしないもの、けがの疑いがあるものは、まず整形外科」です。
逆から言えば、整体や整骨院から始めてよいのは、原因の見当がつく軽いけがと、すでに医療機関で確かめてもらった後の慢性的な不調。迷ったら医療から。
この順番さえ守れば、大きな間違いは起こりません。
けがをした場合。強い痛みや腫れ、変形があれば整形外科へ。
骨折の可能性を画像で確かめられるのは医療機関だけです。捻挫や打撲で医療機関にかかるほどではないと感じる場合は、整骨院・接骨院が保険で対応できる領域ですが、痛みが強い・引かない場合は医師の確認を優先してください。
捻挫で「整骨院と接骨院どっちが良いか」と迷う方がいますが、前述のとおり両者は同じものなので、名前ではなく、その院がけがへの対応経験を十分持っているか、必要時に医療機関へつないでくれるかで選んでください。
腰痛や膝の痛みの場合。初めての強い痛み、しびれを伴う、夜間も痛む、徐々に悪化しているなら、まず整形外科で原因を確かめます。
検査を受けて「骨には異常なし」「年齢相応」「様子を見ましょう」と言われた慢性的な痛み、レントゲンでは説明のつかないこり・張り・姿勢由来の不調。ここからが、整体や自費施術の出番です。
医療が「病気やけがではない」と確認してくれた土俵の上で、筋肉の硬さ・関節の動き・姿勢・体の使い方という機能の側から整えていく。この順番と役割分担が、最も安全で無駄のないかかり方です。
膝や腰など症状ごとの迷いも、この原則に当てはめて考えれば答えが出ます。
費用の面からも比べておきましょう。整形外科は保険適用で1回あたりの自己負担は比較的小さく、検査や薬が必要な場合に合理的です。
整骨院はけがであれば保険適用、慢性症状は自費。整体は全額自費で、1回あたりの金額は最も高くなりますが、時間をかけた検査や説明、オーダーメイドの施術という、保険の枠では提供しにくい中身に対する対価です。
安いか高いかは金額だけでは決まらず、目的に合っているかで決まります。「何に、いくら払っているのか」が明確な場所を選ぶことが、どの選択肢でも共通する損をしないコツです。
そして、併用は矛盾ではありません。整形外科で定期的に経過を確認しながら、日々のこわばりや姿勢の課題は整体でケアする、という組み合わせは実際に多くの方が実践しています。
大切なのは、それぞれの役割を取り違えないこと。診断と医療は医師に、機能の調整は施術者に。
この分担を理解しているかどうかは、施術者側の誠実さを測る物差しでもあります。
施術法の比較では、整体と鍼灸の違いや整体とヨガの違いも参考になります。
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CUREPROの立ち位置
最後に、この記事を書いている私たちの立ち位置も明示しておきます。CUREPROは、柔道整復師の国家資格を持つ代表が運営する、完全自費の整体院です。
保険を使わないのは、慢性的な不調や姿勢・構造の改善が、そもそも保険制度の対象ではない領域だからです。急性のけがや医療が必要な状態は医療機関へ。
そのうえで、検査では異常なしと言われた慢性的な痛みやこり、繰り返す不調を、骨格と体の使い方という構造から整えるのが私たちの専門です。
まとめます。診断と医療は整形外科。
急性のけがへの施術は整骨院・接骨院(両者は同じもの)。検査で異常なしと言われた慢性の不調や姿勢の改善は、信頼できる施術者を見極めたうえでの整体。
原因が分からないときは、迷わず整形外科から。この地図を持っているだけで、あなたの体の悩みへの最初の一歩は、確実に正確になります。
初回はカウンセリングと検査から始め、医療機関で確かめるべきサインがないかの確認を含めて、あなたの体の現在地と施術の見通しをご説明します。整形外科で異常なしと言われたのに続く痛み、マッサージでは戻ってしまう慢性的なこりにお悩みの方は、お近くのCUREPROでご相談ください。料金の考え方は整体の料金相場の記事で詳しく解説しています。
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤矯正と下半身の構造改善を得意とする。