扁平足の自宅トレーニング|1日10分でアーチを起こす手順
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤矯正と下半身の構造改善を得意とする。
扁平足は生まれつきだから仕方ない、と思っていませんか。土踏まずのアーチは、骨の形だけで決まるものではなく、筋肉というワイヤーで吊り上げられている構造です。大人になってから沈んだアーチの多くは、このワイヤーの働きが落ちた結果であり、だからこそ、ワイヤーを起こすトレーニングに取り組む価値があります。
この記事では、道具がほぼいらない自宅向けの扁平足トレーニングを、「ほぐす→起こす→立って使う」の3ステップ・1日10分のプログラムとして解説します。中心となるショートフットエクササイズのつまずきやすいポイント、アーチを吊る主役である後脛骨筋の鍛え方、濡れた足跡での効果チェックまで、始める前の注意点とあわせて紹介します。
始める前に。トレーニングが効く扁平足か、先に確かめる

すべての扁平足に、同じようにトレーニングが効くわけではありません。椅子に座って足を浮かせ、足裏を見てください。
浮かせた状態でアーチのくぼみがあり、立って体重をかけると消えるなら、骨の変形ではなく筋肉の支えが体重に負けているタイプで、トレーニングの効きしろが大きい足です。一方、片足だけアーチが消えてきた、内くるぶしの下が痛む・腫れる、歩くと足首の内側が痛いという場合は、アーチを吊る腱の問題が進んでいる可能性があるため、トレーニングより先に整形外科での確認をおすすめします。
中年以降に片側から進む扁平足については日本整形外科学会「成人期扁平足」の解説が参考になります。
問題がなければ、開始前の記録を取りましょう。お風呂上がりに濡れた足で厚紙や新聞紙を踏み、足跡の形を写真に残します。土踏まず部分がどれだけ埋まっているか——この足跡が、数ヶ月後の答え合わせに使う「成績表」になります。
プログラムの全体像。ほぐす→起こす→立って使う

アーチの再建は工事に似ています。固まった足裏とふくらはぎをほぐすのが地ならし、アーチを吊る筋肉を起こすのが本工事、立った姿勢で使えるか確かめるのが完成検査。地ならしを飛ばすと本工事で指がつり、検査を飛ばすと「座ればできるのに立つと沈む」で終わります。1日の目安は次の通りです。
| ステップ | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1. ほぐす | 足裏ボール転がし、アキレス腱ストレッチ | 約3分 |
| 2. 起こす | タオルギャザー、ショートフット、内側かかと上げ | 約5分 |
| 3. 立って使う | 片足立ち、歩きの最後のひと押し | 約2分+日常 |
ステップ1。ほぐす(約3分)。マッサージは「地ならし」

椅子に座り、テニスボールやゴルフボール(なければラップの芯や青竹)を土踏まずから指の付け根まで、片足1分ずつ転がします。続けて、壁に手をつき、後ろ足のかかとを床につけたままアキレス腱とふくらはぎを20〜30秒。
ふくらはぎが硬いままだと、足首の動きの不足をアーチをつぶす方向で補ってしまうため、ここは毎回省かないでください。種目はふくらはぎのストレッチ、足首の硬さが強い方は足首が動かしにくいも参考になります。
ストレッチ全般は厚生労働省のe-ヘルスネット「ストレッチングの実際」の原則どおり、反動をつけず痛みのない範囲で行います。
ひとつ注意があります。足裏のマッサージは気持ちよく、むくみやだるさには役立ちますが、ほぐすだけではアーチは起きません。マッサージで終わってしまうのが、扁平足ケアでもっとも多い「やった気になる」パターンです。地ならしのあとに、必ず本工事へ進んでください。
ステップ2。起こす(約5分)。アーチの本工事

タオルギャザー(アーチの感覚づくり)
床のタオルをかかとをつけたまま足指でたぐり寄せる、おなじみの種目です。1〜2分。
ここでの目的は指の筋トレだけではありません。タオルをつかんだ瞬間、足裏の真ん中がきゅっと持ち上がる感覚があるはずです。
その感覚の場所を覚えることが、次のショートフットへの橋渡しになります。
ショートフットエクササイズ(主役種目)
座って足裏全体を床につけ、足指を曲げずに、親指の付け根をかかとへ引き寄せるようにして、土踏まずだけを持ち上げます。5秒キープして脱力を10回。
アーチを作る筋肉をピンポイントで起こす、扁平足トレーニングの中心種目です。ただし最初は「指が曲がってしまう」「どこに力を入れているのか分からない」となるのが普通です。
できない場合は、先ほどのタオルギャザーでつかんだ瞬間の足裏の力をもう一度感じ、その力だけを残して指をゆっくり伸ばしてみてください。指は伸びたまま、足裏の真ん中に力が残れば成功です。
感覚がつかめるまでは回数より「一回の成功」を優先します。
内側かかと上げ(後脛骨筋を狙う)
アーチを内側から吊り上げる主役は、すねの奥から内くるぶしの後ろを回って足裏につく後脛骨筋という筋肉です。壁に手を添えて立ち、かかと同士を軽く寄せ、親指の付け根で床を押しながらかかと上げを10回。
内くるぶしの後ろから土踏まずにかけて効く感覚があれば、狙いどおりワイヤーに載っています。慣れたら、内くるぶしの間に丸めたタオルや小さなボールを挟んで落とさないように行うと、内側のラインをさらに強調できます。
ステップ3。立って使う(約2分+日常)。完成検査

仕上げは体重の下での練習です。裸足で立ち、足指を一度ふわっと浮かせて置き直し、かかと・親指の付け根・小指の付け根+指で床を捉えたまま片足立ちを左右30秒。
ぐらつく場合は壁に指一本で触れて構いません。そして日常の歩きでは、かかとから着地して、最後に親指の付け根と親指で地面を後ろへ送り出すひと押しを意識します。
この一歩一歩が、プログラム外の時間をすべてトレーニングに変えてくれます。足指の動きそのものが苦手な方は足の指が動かしにくいから始めるのが近道です。
続け方と効果の確かめ方。足跡は月1回の成績表

頻度は毎日、合計10分。歯磨き中にショートフット、お風呂上がりにボール転がし、通勤の一区間で親指の送り出し、と生活に埋め込むと続きます。
効果の判定は、開始前に撮った濡れ足跡を月1回、同じ条件で撮影して並べる方法が確実です。筋肉の変化は数週間から数ヶ月単位なので、日々の見た目に一喜一憂せず、月単位の足跡と「夕方の足の疲れ方」で判断してください。
お子さんの扁平足には、この種のプログラムより遊びの形が向いています。足指じゃんけんやつま先立ち、裸足の時間づくりは日本整形外科学会「幼児期扁平足」でも勧められている方法です。
やってはいけないこと。中止して確認すべきサイン

痛みを我慢して回数をこなすのは逆効果です。土踏まずやすねがつるのは、固まった足にいきなり強い仕事をさせたサインなので、ほぐすの比重を増やして再開してください。
今使っているインソールを捨てる必要もありません。支えてもらいながら鍛える並行が現実的で、道具は松葉杖、育てるのは体の側という関係です。
そして、トレーニング中・後に足首内側の痛みが増える、腫れる、休んでも痛みが引かない、しびれが出る場合は中止し、整形外科で確認を。頑張りで乗り越える場面ではありません。
扁平足の仕組みやタイプを先に整理したい方は、土踏まずがない原因とセルフケアもあわせて確認してください。
アーチを起こす毎日を、プロと一緒に始めるなら CUREPROへ
扁平足の自宅トレーニングは、ほぐす(ボール転がし・アキレス腱)→起こす(タオルギャザー・ショートフット・内側かかと上げ)→立って使う(片足立ち・歩きのひと押し)の3ステップ、1日10分。鍵は回数ではなく、アーチが上がる感覚を最初につかむことです。月1回の足跡でその歩みを記録していけば、数ヶ月後の答え合わせが楽しみになるはずです。
ショートフットで足裏に力が入る感覚がどうしてもつかめない、すぐ指が曲がってしまう、続けているのに夕方の疲れが変わらない、自分のアーチの沈みが筋肉由来なのか判断がつかない。そんな方は、感覚づくりの部分をプロと一緒に始めてみませんか。
CUREPROは、東京・埼玉・千葉で10院を展開する構造改善専門の整体院です。柔道整復師の国家資格者が在籍し、足裏だけでなく、足首・膝・骨盤・歩き方の連動からアーチが沈む理由を確かめ、あなたの足に合った練習の順番を組み立てます。
姿勢改善とあわせて土台から整えたい方も、お近くの店舗へお気軽にご相談ください。
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤矯正と下半身の構造改善を得意とする。