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コラム

美容師の肩こり対策はもむより腕を支える時間を減らす
10秒の工夫

美容師の肩こり対策はもむより腕を支える時間を減らす|10秒の工夫

▼この記事の監修者

CUREPRO代表 阿部純治 柔道整復師

阿部純治(あべ じゅんじ)

柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表

中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤と下半身の構造改善を得意とする。

「営業後にもみほぐしへ行くと、その日は楽になる。でも翌日の夕方には、また肩に鉄板が乗っている」。美容師の方から伺う肩こりの悩みは、判で押したようにこの形をしています。手荒れや立ち仕事と並んで、肩こりはこの仕事の宿命だとあきらめている方も多いでしょう。

整体院を運営する柔道整復師として、美容師の方の体を数多く見てきた立場から、先に核心をお伝えします。美容師の肩こりの正体は、単なる筋肉疲労ではなく、片腕数キロの重さを一日中、空中で支え続けるという仕事の構造です。もみほぐしは支え続けた筋肉への手当てとしては有効ですが、支える構造が変わらない限り、翌日また同じ荷物を吊ることになります。だから、対策の主役は、もむことではなく、支える時間と高さを減らす工夫に置くべきなのです。

慢性的な肩こりのタイプを整理したい方は、ほぐしても戻る肩こりの見分け方も参考にしてください。

本記事では、カット、シャンプー、ドライヤーという場面別に負担のかかり方を整理したうえで、営業を止めずにできる工夫、合間の10秒リセット、肩がすくんだまま固まる体の仕組み、そして商売道具である手を守るために見逃してはいけないサインまで、CUREPROを運営する柔道整復師の視点で順にお伝えします。

CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

症状は痛む場所だけで決まるものではありません。姿勢や日常動作、負担が続く時間まで一緒に確認することが大切です。

この記事でわかること

  • 美容師の肩こりが、もんでも戻ってしまう構造的な理由
  • カット、シャンプー、ドライヤーそれぞれで負担が集まる場所
  • 営業を止めずにできる、腕を支える時間と高さを減らす工夫
  • 施術の合間にできる10秒リセットのやり方
  • 手のしびれや親指の痛みを肩こりの延長と考えてはいけない理由

美容師の肩こり対策はもみほぐしだけでは追いつかない

腕を上げ続ける仕事で肩の負担を感じる美容師

人の腕は、片方だけで数キロの重さがあります。美容師の仕事は、その腕を肩の高さ近くまで上げ、ハサミやドライヤーを持たせたまま、ミリ単位の作業を長時間続ける仕事です。腕を吊り上げているのは、首の付け根から肩に広がる僧帽筋や、肩甲骨を持ち上げる筋肉たち。この筋肉が営業時間中ずっと働き続けることが、夕方の肩の重さの正体だと見ています。

ここで大切なのは、犯人の特定です。こっている筋肉は被害者であって、犯人は腕を上げ続ける作業の構造にあります。被害者の手当てであるもみほぐしを否定はしません。ただ、犯人が野放しのままなら、手当てはいつまでも終わらないのです。対策の順番を、もむことから、支える時間と高さを減らすことへ。この切り替えが本記事の背骨になります。

肩こりを作る場面はカットとシャンプーとドライヤーで違う

カットとシャンプーとドライヤーの負担を振り返る美容師

同じ肩こりでも、負担のかかり方は場面ごとに違います。自分の一日のどこで肩が消耗しているのかを、まず地図にしてみましょう。

場面 姿勢の特徴 負担が集まりやすい場所
カット 肘を上げた位置で保持し、細かい作業を続ける 肩の上部、首の付け根、肩甲骨まわり
シャンプー 前かがみで腕を前に伸ばし、指先に力を入れる 首の後ろ、背中、腕の前側
ドライヤーとアイロン 片腕を上げたまま保持し、手首を返し続ける 利き手側の肩、前腕、手首

表にすると、共通項が見えてきます。どの場面も、腕が体から離れた位置で止まっているのです。腕は体幹に近いほど軽く支えられ、離れるほど、同じ重さでも肩への負担は増えます。てこの原理で、荷物を体から遠くで持つと重く感じるのと同じ理屈です。つまり、場面ごとの対策は、腕と体の距離をどう縮めるかという一点に集約されていきます。

対策の主役は腕を支える時間と高さを減らす工夫にある

椅子の高さを調整して肩の負担を減らす美容師

では、営業を止めずにできる工夫を挙げていきます。どれも技術を変えるのではなく、条件を変える工夫です。

  • セット椅子の高さを、切る位置に合わせてこまめに変える。お客様を下げれば、肘を上げずに同じ位置を切れます
  • 肘をできるだけ体幹に近づけたポジションで構え、脇が大きく開いたまま続く時間を減らす
  • シャンプーでは足を前後に開き、股関節から上体を倒して、腰と首だけで前かがみを作らない
  • ドライヤーは軽い機種や持ち方の左右の持ち替えで、利き手側への集中を分散する
  • 予約の組み方に余白を作れる立場の方は、ロング施術の連続を避ける工夫も肩の対策になります

とりわけ効果が大きいのが、椅子の高さです。高さ調整は数秒ででき、その数秒が、肘を肩の高さで保持する数分を丸ごと消してくれます。上手な先輩ほど椅子をよく動かしているはずです。技術ではなく、腕の高さの設計として、一度観察してみてください。

CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

セルフチェックは状態を知るための目安です。結果だけで原因を断定せず、左右差や症状の出方も合わせて見てください。

営業の合間の10秒リセットが夕方の肩の重さを変える

施術の合間に肩をゆるめる10秒リセットを行う美容師

支える時間を減らしても、ゼロにはできません。そこで、働き続けた筋肉をこまめにゆるめる合間のリセットを組み合わせます。お客様の入れ替わりやレジ後の10秒でできる、次の3つで十分です。

1つ目は、肩を思いきり耳へすくめて3秒キープし、ストンと脱力する動きを3回。上げっぱなしだった筋肉に、ゆるむ感覚を思い出させます。2つ目は、両手を体の後ろで組み、胸を開いて肩甲骨を軽く寄せる10秒。前に伸ばし続けた腕と丸まった胸の時間を巻き戻します。3つ目は、頭のてっぺんを糸で吊られるイメージで首を長くし、あごを軽く引く10秒。前に出た頭の位置を、背骨の上へ戻す練習です。

どれも、その場で劇的に変わる魔法ではありません。ただ、上げっぱなし、縮めっぱなしの時間を数十分ごとに区切るかどうかで、夕方に持ち越す重さは変わってきます。休憩が取りにくい仕事だからこそ、休憩ではなく10秒を積む発想に切り替えましょう。

肩がすくんだまま下ろせない体になっていないかを確かめる

鏡の前で肩がすくんでいないか確認する美容師

ここからは、美容師向けの肩こり記事ではほとんど語られない核心です。長年この仕事を続けた方の肩を見ると、休んでいるときまで肩が耳の方向へすくんだまま、下ろせなくなっているケースが目立ちます。腕を吊る筋肉が働きっぱなしの状態が続くと、体はその形を通常運転として覚えてしまうのです。

確かめ方は簡単で、鏡の前で楽に立ち、誰かに肩を上から軽く押し下げてもらうか、自分で意識して肩を下げてみてください。数センチ下がる余地があるなら、普段の肩は上がったまま固定されています。もうひとつ、腕を前から上げるとき、腕より先に肩が上がる方も同じ傾向です。この状態では、どんなに合間にほぐしても、基準の位置そのものが高いままなので、こりの生産が止まりません。肩甲骨を下げた位置で腕を使える体に戻すには、すくむ筋肉をゆるめるだけでなく、肩甲骨を下げる筋肉と、土台になる背骨の状態をあわせて見直す必要があります。施術方針を比較する際は、骨格矯正と整体の違いも判断材料になります。前かがみで固まった背中との関係は猫背の原因と改善法で詳しく整理しています。

手のしびれと親指の痛みは肩こりの延長と考えない

手のしびれや親指の痛みを感じる美容師

もうひとつ、美容師の方にだけは強くお伝えしたいことがあります。指先のしびれ、細かい作業のしづらさ、親指の付け根や手首の痛みを、肩こりのおまけとして我慢しないでください。腕へのしびれは、首や胸まわりで神経の通り道が圧迫されているサインのことがあり、親指側の手首の痛みは、ハサミとドライヤーを持ち続ける仕事に多い腱鞘炎の入り口であることが少なくありません。

あなたの手は、代わりのきかない商売道具です。しびれや痛みをかばった持ち方の癖は、肩へも二次的な負担を広げます。手の症状が出た段階で整形外科に相談することは、大げさではなく、キャリアを守る投資だと考えてください。

整形外科で先に確認したい肩こりのサインを知っておく

肩と手の症状について整形外科へ相談する美容師

肩こりの多くは筋肉の問題ですが、日本整形外科学会の肩こりの解説でも、原因となる病気がある場合はその対応が先だとされています。次のサインがあるときは、整体やもみほぐしより先に、整形外科で確認してください。

CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

対策は一度にすべて変える必要はありません。痛みが増えない範囲で、続けやすい工夫を一つずつ試していきましょう。
  • 腕や手のしびれが続く、力が入りにくい、細かい作業がしづらい
  • 腕を上げる動作そのものが痛くてできない、夜にズキズキ痛んで目が覚める
  • 強い頭痛や吐き気を伴う、経験のない痛み方をする
  • 高血圧などの持病があり、肩こり以外の体調の変化も感じている

腕が上がらない、夜間に痛むといった症状は、肩こりではなく四十肩、五十肩と呼ばれる肩関節の問題が疑われる形です。仕事を続けながらの回復計画を立てるためにも、まず状態を確かめることを優先しましょう。

もみほぐしと整体は役割で使い分ける

もみほぐしと整体の役割を相談する美容師

最後に、行き先の整理です。忙しい時期の一時的な張りなら、もみほぐしで筋肉をゆるめる選択は理にかなっています。一方、一年中こっていて、ほぐしても数日で戻り、肩がすくんだまま下ろせない構造ができあがっているなら、姿勢と骨格から見直す整体の領域です。両者の違いはマッサージと整体の違いで整理しています。判定はシンプルで、ほぐしのあと楽な状態が何日続いたかを思い出すことです。数日で戻るなら、手当ての場所を変える時期に来ています。

よくある質問

美容師の肩こり対策について質問する女性

利き手側だけ肩がこるのはなぜですか

道具の保持が利き手に集中しているからです。ハサミもドライヤーも利き手が持ち続けるため、負担は左右対称になりません。持ち替えられる作業の分散、利き手側だけ念入りな10秒リセットで、差を小さくできます。左右差が大きく痛みを伴う場合は、体のねじれ癖もかかわるため、一度専門家に姿勢を見てもらうとよいでしょう。

磁気ネックレスや湿布は効きますか

補助と考えてください。感じ方には個人差があり、それだけで腕を支える構造が変わるわけではありません。湿布は張りの強い日の助けになりますが、連用してごまかし続けるより、支える時間を減らす本体の対策と組み合わせるのが現実的です。使い方に迷う場合は薬剤師や医師に相談してください。

ストレッチはいつやるのが効果的ですか

こまめに、が答えです。営業後にまとめて長くやるより、合間の10秒を数十分おきに挟むほうが、上げっぱなしの時間を区切れます。そのうえで、営業後や入浴後に胸と首まわりをゆっくり伸ばす時間を足せば、翌日への持ち越しがさらに減ります。

アシスタントのうちからやっておくべきことはありますか

あります。シャンプーの多い時期こそ、足を前後に開いて股関節から倒れる形を体に入れてください。若いうちの前かがみ癖は、スタイリストになってからの首と肩の土台を決めます。椅子の高さをこまめに変える先輩の観察も、技術以前の財産になるはずです。

CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

しびれや力の入りにくさ、強い腫れ、発熱、外傷後の痛みがある場合は、セルフケアを続けず、早めに医療機関へ相談してください。

この記事の監修者

美容師の肩こり対策記事を確認する監修者

阿部純治(あべ じゅんじ)。柔道整復師(国家資格)、株式会社May-Plus代表。2011年に整体院を開業し、2013年に法人を設立。CUREPROブランドで東京・埼玉・千葉に10店舗を展開しています。

監修者コメント。「美容師の方の肩を見ると、施術ベッドに横になっても肩がすくんだまま、という方が本当に多いのです。一日中お客様の頭の高さに腕を合わせ続ける仕事ですから、肩が上げ方だけ覚えて、下ろし方を忘れてしまう。責めるべきはあなたの体ではなく、その作業条件です。椅子の高さ、肘の位置、合間の10秒。小さな条件の変更を積んだうえで、それでも下ろせない肩は、私たちのような構造を見る側の出番だと考えてください。あなたの腕と手は、お客様を美しくするための道具であると同時に、守るべきあなた自身の資本です」

まとめ|美容師の肩こり対策は支える時間を減らして下ろせる肩を取り戻す

美容師の肩こりは、片腕数キロを空中で支え続ける仕事の構造が作ります。だから対策の主役は、もみほぐしではなく、椅子の高さと肘の位置で支える高さを設計し、合間の10秒リセットで支えっぱなしの時間を区切ること。そして、肩がすくんだまま下ろせなくなっていないかを確かめることです。手のしびれと親指の痛みだけは、肩こりの延長と考えず、早めに整形外科で確認してください。

CUREPROには、もみほぐしを何年も続けてきた美容師の方が、ほぐしても戻る肩を持って来られます。私たちが見るのは肩そのものより、肩甲骨が下がる余地、胸まわりの広がり、前に出た頭の位置といった、腕を支える土台の構造です。施術の考え方はCUREPROの整体とはでご覧いただけます。鏡の前で肩が下がる余地を確かめた結果を、そのままカウンセリングで聞かせてください。お客様の髪をつくるあなたの肩を、東京・埼玉・千葉のCUREPRO各院が構造から立て直します。

この記事の監修者

CUREPRO代表 阿部純治 柔道整復師

阿部純治(あべ じゅんじ)

柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表

中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤と下半身の構造改善を得意とする。

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