マタニティ整体と産後整体の違い|目的・時期・配慮を比較
「マタニティ整体も産後整体も、どちらもママ向けの優しい整体でしょう。同じようなものだと思っていた」。名前が似ているせいで、この2つはよく混同されます。妊娠中に調べ始めた方も、出産を終えてから調べ始めた方も、検索結果には両方が並ぶので、どちらが自分の話なのか分かりにくいはずです。
しかし、妊娠中と産後の女性の体を見てきたCUREPROの立場からはっきり言えるのは、妊娠中と産後では相談内容や必要な配慮が異なる、ということです。マタニティ整体は、変化の途中にある妊娠中の体を支えるためのもの。産後整体は、出産を終えた体の立て直しを後押しするためのものです。目的が違うから、体への配慮も、受けられる時期の考え方も、相談する相手も変わります。
本記事では、2つの整体の違いを一覧で整理したうえで、それぞれの役割、開始時期の考え方、そして整体より先に産婦人科へ連絡すべきサインまで、整体院の視点で解説します。先にお伝えしておくと、整体は医療行為ではなく、妊娠の経過や産後の状態によって受けてよいかどうかが変わるものです。その前提も含めて読み進めてください。
マタニティ整体と産後整体は時期と配慮が異なる

まず、2つの違いを一覧にします。細かい提供内容は店舗によって異なりますが、考え方の骨組みはこの表のとおりです。
| マタニティ整体 | 産後整体 | |
|---|---|---|
| 目的 | 変化していく体を支え、負担を軽くする | 産後の体調に合わせたケアを検討する |
| 体の状態 | ホルモンの影響で関節や靱帯が緩んでいく途中 | 出産後の回復の途中で個人差が大きい |
| 多い相談 | 腰や恥骨まわりの痛み、背中の張り、むくみ | 骨盤まわりの不安定感、抱っこや授乳による腰・肩・手首の痛み |
| 施術の配慮 | うつ伏せや強い刺激を避け、横向きなど体位を工夫する | 回復の状態に合わせて強さと範囲を調整する |
| 受ける前の確認 | 妊娠の経過によって適否が変わるため、主治医と店舗の両方に確認 | 産後の回復と健診の経過をみて、体調と相談しながら |
同じ「整体」という言葉がついていても、支える相手が違います。マタニティ整体は、これからお産に向かう体。産後整体は、お産という大仕事を終えた体。ここを押さえるだけで、情報の整理が一気に楽になります。
マタニティ整体の役割は妊娠中の体を支えること

妊娠中の体は、お腹が大きくなるにつれて重心が前へ移り、腰を反らせてバランスを取るようになります。同時に、出産に向けてホルモンの働きで骨盤まわりの関節や靱帯が緩んでいくため、腰や恥骨まわりには痛みや不安定感が出やすい時期です。マタニティ整体は、この変化そのものを止めるのではなく、変化の途中にある体の負担を軽くして、出産までの期間を少しでも楽に過ごせるように支えることが役割です。
だからこそ、施術には妊娠中ならではの配慮が求められます。うつ伏せは避け、時期によっては仰向けも長く取らず、横向きでクッションを使うなど、体位から刺激の強さ、施術時間まで、通常の整体とは別の組み立てになります。
そして何より大切な前提があります。整体は医療行為ではなく、受けてよいかどうかは妊娠の経過しだいで変わるものです。切迫流産や切迫早産と言われている方、安静の指示が出ている方、合併症のある方は、施術を受ける場面ではありません。体調が安定している方でも、受ける前に主治医に確認し、店舗にも妊娠中であることと週数を必ず伝えてください。何週からなら全員が受けられる、という一律の線引きは存在しません。開始時期の考え方は妊娠中の整体はいつからかの記事で詳しく扱っています。
産後整体は回復状況に合わせて検討する

出産後の体は回復の途中にあり、その経過には個人差があります。そこへ、抱っこ、授乳、おむつ替えという前かがみの育児生活が休みなく重なるため、腰や肩、手首の痛みが出やすくなります。産後整体の役割は、この回復の過程を体の使い方の面から後押しし、育児の負担が一部分に集中しない体に整えていくことです。
ここで、検索でとても多い疑問に正面から答えておきます。「産後の骨盤は必ず整えてもらわないと戻らないのか」「産後の骨盤ケアは意味がないという声もあるが、どちらが本当か」という疑問です。私たちの答えはこうです。産後の体には、もともと自分で回復していく力が備わっており、施術を受けなければ戻らない、という断定は正しくありません。一方で、育児をしながらの回復は姿勢の偏りや痛みでつまずきやすいのも事実で、そのつまずきを減らす後押しとして施術を使うのは理にかなっています。つまり、全員に必須でもなければ、全員に無意味でもなく、あなたの体の状態と困りごと次第です。必ず受けないと大変なことになる、という煽り文句と、何もしなくていいという放置論の、どちらにも乗らないでください。
また、帝王切開で出産した方は傷の回復が最優先ですし、悪露が長く続いている方、産後の痛みが強い方は、施術より先に主治医への確認と受診が優先です。産後整体は、体の回復が順調に進んでいることが前提の選択肢だと考えてください。
開始時期はカレンダーではなく体の状態と確認で決める

「妊娠何週から受けられますか」「産後何か月から始めるべきですか」という質問には、正直にお答えすると、全員に当てはまる数字はありません。時期を決める材料は、カレンダーではなく次の3つです。
- 妊娠中なら、妊婦健診での経過と主治医の判断。安定している時期でも、経過によって適否は変わる
- 産後なら、およそ産後1か月の健診で体の回復を確認してもらった後が、検討を始めるひとつの区切り。ただし体調がつらければ無理に始めない
- 帝王切開の方は、傷の回復について主治医に確認してから
あわせて、「産後何か月までに始めないと手遅れになる」という期限の煽りも気にしなくて大丈夫です。体の回復は締め切りのある工事ではありません。時期が空いてしまった方でも、今の体の状態から整え始めることはできます。焦って体調の悪い時期に予約を入れるより、確認と回復を優先するほうが、結果的に近道です。
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違いを知ることが安全に受けるための第一歩になる

ここまでの内容を一言でまとめると、マタニティ整体と産後整体の違いを知ることは、知識の話ではなく安全の話だ、ということです。妊娠中は強い刺激や無理な体位を避ける配慮が必要ですし、産後の体の不調を妊娠中と同じ配慮だけで見れば、育児動作という原因を見落とします。だからこそ、施術者には妊娠中・産後それぞれの体への理解が必要で、受ける側にも、今の自分がどちらの段階にいて、何を確認すべきかを知っておいてほしいのです。
CUREPROでも、妊娠中や産後の方からのご相談をお受けしていますが、その際は体調を最優先に、妊娠中の方は主治医への確認と店舗への事前のご相談をお願いしています。当日体調が優れなければ、遠慮なく変更やお休みをしてください。施術は逃げません。服装など受ける際の準備は整体の服装の記事にまとめています。また、産後に多い腰痛や、抱っこで悪化しやすい手首の腱鞘炎については、症状別のページもご覧ください。
整体より先に産婦人科へ連絡すべきサインがある

最後に、この記事でいちばん大切な表を置きます。次のようなサインがあるときは、整体の予約があっても、まず産婦人科やかかりつけ医への連絡を優先してください。
| 時期 | サイン | 対応 |
|---|---|---|
| 妊娠中 | 性器出血がある | 自己判断せず、すぐかかりつけの産婦人科に連絡する |
| 妊娠中 | お腹の張りや痛みが休んでもおさまらない、どんどん強くなる | すぐ産婦人科に連絡する |
| 妊娠中 | 胎動がいつもより明らかに少ない・弱いと感じる | 様子を見ずにかかりつけ医に相談する |
| 産後 | 出血が急に増えた、強い腹痛や発熱がある | 出産した施設や産婦人科に連絡する |
| 産後 | 帝王切開の傷の痛みが強くなる、赤みや腫れが広がる | 主治医に連絡する |
| 産後 | 気分の落ち込みや涙が止まらない状態が続く | 産婦人科や自治体の相談窓口に早めに相談する |
妊娠中の出血やお腹の痛みには、急いで対応が必要な病気が隠れていることがあり、愛知県の妊娠出産ポータルサイトでも、性器出血は自己判断せずすぐ医療機関を、胎動が急に弱いと感じたらかかりつけ医に相談を、と案内されています。また産後については、自治体によっては産後ケア事業を通じて、出産後1年以内のお母さんと赤ちゃんへの心身のケアや育児サポートを行っています。つらさを整体だけで抱え込まず、医療と公的な支援も一緒に使ってください。整体が力になれるのは、こうした確認の上に体調が落ち着いている場面です。
マタニティ整体と産後整体の違いでよくある質問

産後はまず骨盤ベルトを着けるべきですか
骨盤ベルトが合うかどうか、いつどう使うかは体の状態によって違います。市販品を自己流で強く締めると、かえってつらくなることもあります。出産した施設の助産師や医師に、自分の場合の使い方を確認してから取り入れるのが安全です。
妊娠中に整体を受けて赤ちゃんに影響はありませんか
赤ちゃんへの影響がまったくないと一律に保証することはできません。まず主治医に妊娠経過と施術の適否を相談し、店舗に妊娠中であることを伝え、体位と刺激への配慮を確認してください。この前提を欠いた施術や、痛みを我慢するような強い刺激は受けないでください。少しでも体調に不安があれば、その日は受けないという判断も立派な選択です。
産後整体は整骨院と整体院のどちらで受けるべきですか
名称よりも中身で選んでください。確認したいのは、産後の体への配慮と説明があるか、体調に合わせて内容を変えてくれるか、通う目的と回数の説明が明確か、の3点です。どこで受けるにしても、健診で回復を確認してから、という順番は変わりません。
整体で恥骨の痛みや腱鞘炎にも対応できますか
整体は医療行為ではないため、病気やけがの診断と医療的な処置はできません。痛みが強い場合や長引く場合は、まず産婦人科や整形外科で状態を確かめてください。そのうえで、抱っこや授乳の姿勢など、痛みに関わる体の使い方を整える面から支えるのが整体の役割です。
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まとめ|マタニティ整体は支える施術、産後整体は立て直しを後押しする施術
マタニティ整体と産後整体は、名前こそ似ていても、支える相手が違う別の施術です。妊娠中は、変化していく体の負担を軽くすることが目的で、主治医と店舗への確認が前提。産後は、緩んだ体の立て直しを後押しすることが目的で、健診での回復確認が出発点です。そして、必ず受けなければ戻らないという断定にも、意味がないという断定にも根拠はなく、答えはあなたの体の状態の中にあります。出血や強い痛み、胎動の変化などのサインがあれば、整体より先に産婦人科へ。この順番だけは、どうか覚えておいてください。
私たちCUREPROは、妊娠中・産後の体の変化に配慮しながら、骨盤・背骨・全身のつながりから体を整える整体院グループです。今の自分はどちらの段階で、何から確認すればよいか迷ったら、お近くの店舗にご相談ください。初めての方は整体を受ける流れもご確認ください。通い方や施術の疑問はよくあるご質問にまとめています。お母さんの体が楽になることは、赤ちゃんと過ごす毎日の土台づくりでもあります。
▼運営者情報
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)・株式会社May-Plus代表
2011年に整体院を開業、2013年に株式会社May-Plusを設立。CUREPROブランドで首都圏(埼玉・東京・千葉)に整体院を展開する代表経営者。日本大学法学部卒業後、中央医療学園専門学校で柔道整復師資格を取得。