肋骨の下が痛い原因|左右と痛み方の見分け方
はじめに、必ず確認してください。
次のような症状が「今」ある方は、この記事を読み進める前に医療機関を受診、または 119番 をしてください。
– 右のあばらの下や、みぞおち〜左上腹部に 突然の激しい痛みが起きた
– 痛みが 背中に抜けるように広がる(膵炎・胆石などの可能性)
– 発熱・黄疸(白目や肌が黄色い)・吐き気をともなう
– 息を吸うのもつらい、強い息苦しさをともなう(気胸・胸膜・肺の可能性)
– 転倒・打撲のあとで、深呼吸や体重で 激しく痛む
– 冷や汗をともなう、または今までに経験のない痛み
肋骨の下には、肝臓・胆のう・胃・膵臓・脾臓・腎臓といった大切な臓器が集まっています。強い痛みや、発熱・黄疸・息苦しさをともなう痛みは、これらの臓器や肺の病気のサインであることがあります。判断に迷うときは救急相談ダイヤル ♯7119 で相談できます。
肋骨の下がズキズキする、押すと痛い、息を吸うとひびく。あばら骨の下の痛みは、多くの方が一度は経験する一方で、「筋肉の痛みなのか、内臓の病気なのか」が自分では判断しづらい、やっかいな症状でもあります。
結論から言えば、肋骨の下の痛みで最初にすべきことは、痛む「場所(左右)」と「痛み方」を手がかりに、内臓の病気の可能性を見極めることです。そのうえで、危険なサインがなければ、肋骨に沿った神経や筋肉の痛み、いわゆる肋間神経痛や胸壁の痛みとして、体の使い方から向き合っていけます。この記事では、その順番で整理していきます。
本記事は柔道整復師(阿部純治/株式会社May-Plus 代表)監修のもと、CUREPROが構成・執筆しています。医学的な情報は公的機関の情報を出典として記載しています。診断・治療にかわるものではありません。
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤矯正と下半身の構造改善を得意とする。
肋骨の下には、どんな臓器があるのか

痛みの原因を考えるうえで、まず肋骨の下に何があるかを知っておくと見通しが立ちます。あばら骨の下縁、いわゆる肋骨弓のあたりには、左右で異なる臓器が並んでいます。
- 右の肋骨の下 … 肝臓・胆のうが中心。少し背中側に右の腎臓、奥に膵臓の一部があります。
- 左の肋骨の下 … 胃・膵臓・脾臓(ひぞう)。背中側に左の腎臓があります。
- 中央(みぞおち付近) … 胃や膵臓、そして食道の出口。心臓もこの近くにあります。
痛む側によって疑うべき臓器が変わるため、「右か、左か、真ん中か」は、原因を絞り込む最初の分かれ道になります。ここを意識するだけで、あとの見分けがぐっとしやすくなります。
内臓の病気を疑う「危険な痛み」を先に確認する

肋骨の下の痛みで、まず除外したいのが内臓の病気です。場所ごとに代表的なものを見ていきます。
右の肋骨の下が痛いとき
右の肋骨の下の痛みで多いのが、胆石症です。胆のうにできた石が胆汁の流れをせき止めることで痛みが起こり、脂っこい食事のあとに、右のあばらの下に差し込むような痛みが出るのが典型です。背中に抜けるように痛むこともあります。ここに細菌感染が加わると急性胆のう炎となり、発熱や黄疸をともない、重篤になることもあります(鳥取大学医学部 消化器外科、渡辺胃腸科外科病院)。このほか、背中側の腎臓に石が詰まる尿路結石でも、右のわき腹から背中に強い痛みが出ることがあります(メディカルドック)。
左の肋骨の下が痛いとき
左の肋骨の下では、胃や膵臓のトラブルに注意が必要です。とくに急性膵炎は、みぞおちから左上腹部の鋭い痛みが、背中にまで放散するのが特徴で、吐き気や発熱をともない、重症化するとショック状態に陥ることもあります(メディカルック)。飲酒量が多い方や、脂っこい食事が続く方はとくに注意してください。胃炎や胃潰瘍でも、左から中央のあばらの下に痛みや違和感が出ることがあります。なお、左の肋骨の下にある臓器としては脾臓がありますが、通常は小さく、病気で腫れたときなどに痛むことがあります(徳島県医師会)。
内臓の痛みに共通する見分け方
内臓が原因の痛みには、共通する傾向があります。押しても痛みが変わらない、体を動かしても変化しない、鈍く奥のほうでズーンと続く、食後や空腹時など食事と関連するといった特徴です(メディカルック)。こうした痛みで、さらに発熱・黄疸・吐き気・体重減少などをともなうときは、内科や消化器内科での確認を優先してください。
「押すと痛い」「息を吸うと痛い」なら、肋骨や神経・筋肉の痛みかもしれない

一方で、検索でも非常に多い「肋骨 押すと痛い」「息を吸うと肋骨が痛い」というタイプは、内臓ではなく胸の壁、つまり骨・軟骨・筋肉・神経の痛みであることが多いものです。ここはこの記事の中心なので、丁寧に見ていきます。
胸の壁は、左右12本ずつの肋骨と、上下の肋骨をつなぐ肋間筋でできており、そのあいだを肋間神経が走っています(徳島県医師会)。この構造に負担がかかると、次のような痛みが出ます。
胸の壁(骨・軟骨・筋肉・神経)が原因の可能性が高い痛み
- 特定の場所を 指で押すと痛みが強くなる
- 深呼吸・咳・くしゃみ・体をひねると痛みが変わる
- 痛む場所を 指先で示せる、肋骨に沿って走る
- 片側だけに出ることが多い
とくに「肋間神経痛」という言葉はよく使われますが、これは正確には病名ではなく、肋間神経に沿って出る痛みという症状を指します。内臓由来の胸痛との違いは、痛む場所や範囲がはっきりしていて、肋骨に沿った比較的鋭い痛みで、左右どちらか片側のみに出ることです(済生会)。「急に電気が走るような痛み」や「ジクジク続く痛み」など、痛み方はさまざまです。
見落としやすい「肋骨のヒビ」
もうひとつ注意したいのが、肋骨のヒビ(不全骨折)です。スポーツや転倒、強い咳の繰り返しなどで肋骨に細かな損傷が起きると、押すと痛い・深呼吸や咳でひびくといった症状が出ます。肋骨の軽度なヒビはレントゲンに映りにくく、時間がたってから痛みが強くなることもあります。強くぶつけた覚えがある、特定の一点だけがはっきり痛むといった場合は、自己判断せず整形外科で確認してください。
片側の痛みが続くなら、帯状疱疹にも注意
片側の肋骨に沿ってピリピリ・ヒリヒリした痛みが続くときは、帯状疱疹の初期のこともあります。帯状疱疹は、痛みが先に出て、数日後に小さな水ぶくれのような発疹が帯状にあらわれるのが特徴です(済生会)。発症の早い段階で抗ウイルス薬を始めることが大切なので、片側の痛みのあとに発疹が出てきたら、早めに皮膚科や内科を受診してください。
なぜ肋間神経痛や胸壁の痛みが起こるのか

危険な病気やヒビ、帯状疱疹が当てはまらない肋骨の下の痛みは、姿勢や筋肉の緊張、ストレスが背景にあることが少なくありません。「肋骨 押すと痛い ストレス」という検索が多いのも、これを裏づけています。
長時間のデスクワークやスマートフォンで背中が丸まると、肋骨まわりの筋肉が常に引っ張られて緊張します。すると肋間筋がこわばり、息を吸う・体をひねるといった動作で痛みを感じやすくなります。冷えによる血行不良も、この緊張を強めます。さらに、精神的な緊張が続いて呼吸が浅くなると、肋骨がしっかり広がらないまま浅い呼吸が習慣になり、胸郭まわりの筋肉が硬くなって痛みにつながることがあります。
ここで大切なのは、こうした胸壁の痛みは、姿勢・呼吸・筋肉の緊張という、体の使い方に根ざしているという点です。だからこそ、痛み止めでその場をしのぐだけでなく、根っこにある使い方を見直す視点が意味を持ってきます。
なお、済生会の解説では、肋間神経痛のときに避けたいこととして、体を冷やすこと、重いものを持つこと、猫背や背中を大きくそらす姿勢が挙げられています。痛みが強い時期は、これらを控えることも覚えておくとよいでしょう。
何科を受診し、どう伝えるとよいか

肋骨の下の痛みは、原因によって受診先が変わります。
- 発熱・黄疸・食事に関連する痛み・みぞおちから背中への激痛 … 内科・消化器内科
- 息を吸うのがつらい、強い息苦しさ … 呼吸器内科や救急
- 押すと痛い、深呼吸や体のひねりで変わる、肋骨に沿う痛み、外傷後 … 整形外科
- 片側のピリピリした痛みのあと発疹が出た … 皮膚科・内科
受診の際は、いつから・どこが(右か左か中央か)・どんなときに(食後、深呼吸、体をひねったときなど)・どう痛むか(押すと痛い、鈍く続く、電気が走るなど)を整理して伝えると、検査がスムーズに進みます。痛みが持続する、強くなる、繰り返すといった場合は、様子を見すぎないことが大切です。
医療機関で「異常なし」と言われた肋骨まわりのつらさに、体の面からできること
胸郭と肩まわりの動きを整える施術

検査を受けて、内臓や肺、骨に問題はなく、帯状疱疹でもないと確認された。それでも肋骨の下が張る、押すと痛い、深呼吸がしづらい。そうした胸壁由来のつらさは、姿勢や胸郭の使い方と深く結びついています。ここが、私たちCUREPROがお役に立てる領域です。
まず自分でできることとして、姿勢と呼吸の見直しがあります。椅子に深く腰をかけて骨盤を立て、背中が丸まらないように座るだけで、肋骨まわりの筋肉の引っ張られ方が変わります。呼吸は「吸う」より「吐く」を意識し、ゆっくり長く息を吐く腹式呼吸を取り入れると、こわばった肋間筋がゆるみやすくなります。痛みの出る動きは無理に行わないでください。
とはいえ、猫背や巻き肩、胸郭の硬さは長年の積み重ねで固まっていることが多く、セルフケアだけでは変えにくいのも実際のところです。CUREPROでは、背骨や胸郭、肩甲骨まわりの状態を一人ひとり確認し、肋骨がしなやかに動き、呼吸で自然に広がる状態づくりを、体の構造という視点からお手伝いしています。ここで扱うのは、あくまで医療機関で内臓や骨などの病気が否定されたあとの、姿勢・胸郭・自律神経のバランスに由来する肋骨まわりのつらさです。私たちは診断も治療も行いません。その線引きをはっきりさせることが、安心して体を任せていただく前提だと考えています。
受診の目安を、最後にもう一度整理します

肋骨の下の痛みは、内臓の病気という見逃せないものから、姿勢や筋肉に由来する付き合っていけるものまで、幅があります。迷ったときの軸を、シンプルにまとめます。
すぐに受診、または救急
- みぞおち〜右や左の激痛、背中に抜ける痛み
- 発熱・黄疸・吐き気をともなう
- 息を吸うのもつらい、強い息苦しさ
- 外傷後の激しい痛み、冷や汗をともなう
早めに内科・消化器内科・整形外科などを受診
- 押しても動かしても変わらず、鈍く奥で続く、食事と関連する痛み
- 片側のピリピリした痛みのあとに発疹が出た
- 強くぶつけた覚えがあり、一点がはっきり痛む
危険なサインがなく、押すと痛い・呼吸や動きで変わる痛みが続くとき
- まず医療機関で問題がないことを確認したうえで、姿勢や胸郭など体の面からのケアを検討する
肋骨の下の痛みは、体からの大切なサインです。医療機関で「異常なし」と確認できたのに、姿勢のクセや胸のこわばり、浅い呼吸からくるつらさが残る。そんなときは、原因を体の構造からたどり直す視点が助けになります。CUREPROは、あなたの肋骨まわりが本来のように動ける状態づくりを、一緒に考えていきます。まずはお気軽にご相談ください。
*本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療にかわるものではありません。肋骨の下の痛みには、内臓や肺の病気が隠れていることがあります。気になる症状がある場合は、自己判断で様子を見ず、必ず医療機関を受診してください。*
出典・参考
- 社会福祉法人 恩賜財団 済生会「肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)とは」 https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/intercostal_neuralgia/
- メディカルドック「右脇腹肋骨の下が痛い」原因の解説(医師監修) https://medicaldoc.jp/symptoms/part_gastrointestinal/sy0937/
- 徳島県医師会「肋間神経痛」 https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/809-77
- 鳥取大学医学部 器官制御外科学講座「胆石症、胆嚢炎」 https://www.med.tottori-u.ac.jp/surgonco/clinic/c_c.html
- Medicalook「左肋骨の下がズキズキ痛い」原因の解説(医師監修) https://medicalook.jp/pain-rib-throbbing/
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)・株式会社May-Plus代表
2011年に整体院を開業、2013年に株式会社May-Plusを設立。CUREPROブランドで首都圏(埼玉・東京・千葉)に10店舗を展開する代表経営者。日本大学法学部卒業後、中央医療学園専門学校で柔道整復師資格を取得。「保険診療に依存しない構造改善型整体モデル」を推進。