整体は運動前と運動後のどっちが良い?目的別の使い分けと避けたいタイミング
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤と下半身の構造改善を得意とする。
「ジムの日に整体の予約も入れたいけれど、先に行くべき?後にすべき?」「マラソン大会の前に整体で整えてもらうのは、あり?」。運動習慣のある方から、整体を受けるタイミングについてのこの質問はとてもよく受けます。調べてみると「運動前が良い」という院と「運動後が良い」という院の両方があり、ますます迷ってしまった方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、この問いに唯一の正解はありません。なぜなら、整体を運動前に受けるか後に受けるかは、あなたがその日の整体に何を求めるかで決まるからです。動きやすい体で運動に臨みたいなら前、運動でたまった疲労や偏りをリセットしたいなら後。目的が決まれば、順番はおのずと決まります。そのうえで、どちらを選ぶ場合にも共通して守りたい注意点がいくつかあります。
本記事では、スポーツやトレーニングを続ける方の体を数多く見てきた整体院グループを運営する柔道整復師の立場から、運動前に受ける場合と運動後に受ける場合それぞれの意味と注意点、大会や試合があるときの組み込み方、そして整体を受けないほうがよいタイミングまでを順にお伝えします。
この記事でわかること
- 運動前・運動後それぞれに整体を受ける意味と向いている人
- 施術の直後に高負荷の運動を避けたほうがよい理由
- 大会や試合の前後で失敗しないスケジュールの組み方
- 整体を受けないほうがよいタイミングと受診のサイン
結論。整体は運動前か後かではなく目的で決める
運動前と運動後のどっちが良いかという問いは、言い換えれば「今日の整体に何を求めるか」という問いです。まず全体像を表で示します。自分がどちらの目的に近いかを確かめてください。
| 運動前に受ける | 運動後に受ける | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 動きやすい状態をつくる準備 | 疲労と偏りをリセットする回復 |
| 期待できること | 関節の動きの確認、左右差の調整 | 使いすぎた部位のケア、体の状態の点検 |
| 望ましいタイミング | 直前ではなく数日前〜前日 | 運動直後より、少し落ち着いてから |
| 注意点 | 強い施術の直後に高負荷をかけない | ケガの疑いがあるときは施術より受診 |
そして、どちらを選ぶ場合にも共通する原則が三つあります。①目的を院に伝えて施術の強さを調整してもらう、②強めの施術を受けた直後に高強度の運動をしない、③大事な本番の直前に初めての院で初めての施術を受けない。この三つを押さえておけば、順番選びで大きく外すことはありません。以降の章で、一つずつ理由とともに見ていきます。
運動前に整体を受ける意味と注意点
運動前の整体に向いているのは、体の硬さや左右差が気になっていて、動きやすい状態で運動に臨みたい方です。関節の動く範囲や骨盤まわりのバランスを整えてから体を動かすと、フォームの癖に気づきやすくなり、動きの質を確かめながら運動できます。
ただし、タイミングには注意が要ります。おすすめは運動の直前ではなく、数日前から前日です。理由は二つあります。一つは、施術後に一時的なだるさや眠気が出る方がいるためで、この状態で高強度の運動に入るのは、力も集中も出にくく得策ではありません。もう一つは、施術で体の状態が変わった直後は、いつもの感覚と体の反応にずれが生じることがあるためです。変化した体に神経と筋肉がなじむ時間を置いてから動くほうが、安全に力を出せます。どうしても当日に受けるなら、その旨を伝えて軽めの調整にとどめてもらい、運動もフォーム確認程度の強度から始めてください。
なお、運動直前の準備そのものは、整体ではなくウォームアップの役割です。厚生労働省のe-ヘルスネットのストレッチングの解説でも、ストレッチングは柔軟性を高める運動として、準備運動や整理運動の一要素に位置づけられています。整体で整えた体を運動につなぐ橋渡しは、当日の自分のウォームアップが担う。この役割分担を覚えておきましょう。
運動後に整体を受ける意味と注意点
運動後の整体に向いているのは、トレーニングやスポーツのあとに特定の部位が張る、疲労が抜けにくい、フォームの癖で同じ側ばかり凝る、という方です。運動は体を強くする一方で、種目の特性や利き側の癖によって、負担のたまり方に偏りをつくります。運動後の施術は、その日の偏りが癖として固まる前にリセットする点検の時間として機能します。
こちらも、タイミングにひとつ注意があります。激しい運動の直後、心拍が上がり汗が引かないうちに施術台に乗るのは避け、水分補給と着替えを済ませ、体が落ち着いてからにしましょう。また、運動中にひねった、強くぶつけた、急な鋭い痛みが走ったという場合は、整体ではなくまず医療機関です。腫れや熱を持つ急なケガは、施術でほぐす対象ではなく、評価と応急処置の対象になります。運動後のだるさと施術後のだるさが重なることもあるため、施術を受けた日は早めに休み、飲酒や長風呂は控えめにしておくと安心です。
なお、運動後といっても当日にこだわる必要はありません。強い筋肉痛が予想される高強度の日は、翌日から翌々日に受けるほうが、体の反応を確かめながらケアできます。当日の予約が取れないときも、慌てず数日内で十分に役割を果たします。
大会や試合の前後はスケジュールに組み込む
マラソン、ゴルフのコンペ、球技の試合。目標となる本番があるときは、行き当たりではなく、あらかじめ整体を計画に組み込むのが失敗しないコツです。ポイントは三つあります。
- 本番の直前に、初めての院で初めての施術を受けない。体がどう反応するか分からない賭けを、いちばん大事な日の前にしない
- 受けるなら、普段から通っていて反応が分かっている院で、本番の数日前までに済ませる
- 本番後は、疲労と偏りの点検として一〜数日内にケアの機会をつくる
普段の運動でも考え方は同じで、週や月の運動計画の中に「整える日」を先に置いてしまうのが理想です。効果を感じ始める時期や通う間隔の考え方は整体の効果はいつから出るかと整体は何回通うのが目安かで詳しく整理しています。
整体と運動は同じ方向を向いて初めて生きる
ここで、順番論の一段深い話をします。運動前か後かで迷う背景には、「整体と運動はどちらが体に効くのか」という比べ方が隠れていることが多いのですが、この二つはそもそも競合ではありません。役割が違うのです。
整体は、関節の動きや筋肉のバランスといった体の状態を整える働きかけです。一方の運動は、その体を実際に使い、使い方を体に覚え込ませる時間です。整えただけで使わなければ、体は日常の癖にゆっくり戻っていきますし、偏ったまま使い込めば、癖はますます強くなります。だからこそ、施術で整えた後に正しいフォームで動くことは、整った状態を体に定着させる助けになると私たちは見ています。運動前でも運動後でも、大切なのは整体と運動が同じゴールを共有していることです。通っている院には、自分がどんな運動をどんな目的でしているかをぜひ伝えてください。施術の内容も、セルフケアの提案も、その情報があるだけで精度が変わります。セルフストレッチの時間帯の使い分けはストレッチの最適な時間もあわせて参考になるはずです。
整体を受けないほうがよいタイミングと受診のサイン
最後に、運動前後にかかわらず、施術を控えたほうがよい状態を整理します。
- 発熱がある、体調が明らかに悪い
- 飲酒後
- 運動中のケガの直後で、腫れ・熱感・強い痛みがある(まず医療機関で評価を)
- 手足のしびれや力の入りにくさが出ている(整形外科が先)
- 安静にしていても痛む、痛みが日ごとに悪化している(原因の評価が先)
整体は、医療機関で重大な原因がないと確認できた体に対して、状態を整えるために使うのが安全な順番です。迷ったら、施術より受診。これは運動を続けるうえでも変わらない大原則です。
整体と運動のタイミングに関するよくある質問
筋トレの日に整体を入れるなら、どちらを先にすべきですか
同じ日に両方入れるなら、筋トレを先、整体を後の順が無難です。施術で状態が変わった直後に高重量を扱うより、トレーニングでたまった張りを施術でリセットして帰る流れのほうが、リスクが小さく目的も明確だからです。整体を先にしたい日は、その後の筋トレを軽めのメニューに調整してください。
施術のあと、どのくらい空ければ運動してよいですか
一律の時間は決められません。散歩などの軽い運動なら当日から問題ないことがほとんどですが、高強度のトレーニングや試合は、施術の強さと体の反応によっては翌日以降が無難です。受けた施術の内容を知っているのは担当者ですから、その日のうちに「明日は走ってよいか」を直接確認するのがいちばん確実です。
整体の翌日に筋肉痛のようなだるさが出ました。運動してよいですか
その日は散歩など軽い運動にとどめ、様子を見てください。施術後のだるさは数日で落ち着くのが一般的で、無理に高負荷をかける必要はありません。だるさではなく痛みが強まっていく場合や長引く場合は、受けた院に連絡し、必要に応じて医療機関に相談しましょう。
運動後は整体とマッサージのどちらが向いていますか
その日の疲れを心地よくほぐしたいだけならもみほぐしも選択肢ですが、同じ部位ばかり張る、フォームの癖からくる偏りが気になるという場合は、体のバランスから見る整体が向いています。求めるものが癒やしなのか、体の点検なのかで選び分けてください。
毎回の運動と整体をセットにしないと意味がありませんか
その必要はありません。運動は日々の習慣、整体は定期的な点検と調整、という間隔の違うリズムで組み合わせるのが現実的です。運動の頻度が高い方でも、整体は体の状態に合わせた間隔で十分に役割を果たします。
まとめ|整体が運動前と運動後のどっちかは目的で決まる
整体を運動前に受けるか運動後に受けるかは、準備が目的なら前、回復が目的なら後という使い分けで決まります。前に受けるなら直前ではなく数日前〜前日に、後に受けるなら体が落ち着いてから。強い施術の直後に高負荷をかけない、本番直前に初めての施術を試さない、という共通原則を守り、体調不良やケガの疑いがあるときは施術より受診を優先する。この整理さえあれば、どっちが先かで迷う時間は、もう要らなくなるはずです。
CUREPROは、首都圏で整体院を展開する私たちが「人生のパフォーマンスを上げる整体」を掲げ、運動を続ける方の体を、痛む場所だけでなく関節の動きや骨格のバランスから整理している整体院です。カウンセリングでは、どんな運動をどんな目的でしているかをうかがったうえで、施術の強さとタイミングのご相談にも乗っています。「トレーニングと整体をどう組み合わせるのが自分に合うのか」を一度設計したい方は、CUREPROの整体とはをご覧のうえ、お近くの店舗にご相談ください。
この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)・株式会社May-Plus代表
2011年に整体院を開業、2013年に株式会社May-Plusを設立。CUREPROブランドで首都圏(東京・埼玉・千葉)に10店舗を展開。保険診療に依存しない構造改善型整体モデルを推進している。
監修者コメント
運動前か後かというご質問には、いつも「今日の整体に何をしてほしいですか」と聞き返しています。答えが準備なら前、回復なら後。それだけのことなのですが、目的を言葉にすると、施術する側の仕事の精度も上がります。遠慮なく、運動の予定ごと私たちに共有してください。体づくりの計画は、一緒に立てるほうが早いのです。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や医療行為を代替するものではありません。運動中のケガ、腫れや強い痛み、しびれ、発熱などがある場合は、施術に先立ち整形外科などの医療機関を受診してください。運動と施術のタイミングは体調に応じてご自身の責任で調整し、不明な点は通っている院にご確認ください。
この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤と下半身の構造改善を得意とする。