保育士の膝痛は3つの動作で対策する|サポーター選びと受診の目安
「膝が痛いのは年齢のせいだし、保育士を続けるなら我慢するしかなさそう」。子どもと目線を合わせる、床で一緒に遊ぶ、抱き上げるといった仕事の中身は変えられないため、膝の痛みも仕事の一部として受け入れている方が多いはずです。
しかし、これまで東京・埼玉・千葉の10院で、慢性的な関節の痛みに悩む多くの方の体と日常の動きを見てきたCUREPROの立場から言えるのは、保育士の膝痛対策は膝を鍛えるより先に、しゃがむ・膝をつく・抱えて立つという3つの動作の回数と深さを減らすところから始まる、ということです。筋トレやストレッチは、動作を置き換えた後に足しても遅くありません。
本記事では、膝痛が出やすい動作と痛む場所の見分け方から、現場でできる動作の置き換え、勤務後のセルフケア、膝サポーターの選び方、医療機関を優先すべき目安まで、慢性痛を扱う整体院の視点で順を追ってお伝えします。

保育士の膝痛は3つの動作の繰り返しで起きやすい
保育士の膝痛が起きやすいのは、深くしゃがむ、床に膝をつく、子どもを抱えて立ち上がるという3つの動作を、1日のうちに何十回も繰り返すからです。どの動作も膝を大きく曲げた位置で体重や子どもの重さを受け止めるため、1回ごとの負担は小さくても回数で積み上がります。
3つの動作と、膝で起きていることを並べると次のとおりです。
| 動作 | 保育の主な場面 | 膝で起きていること |
|---|---|---|
| 深くしゃがむ | 着替えや靴の手伝い、目線を合わせた声かけ | お皿の裏にかかる圧が高まり、立ち上がる瞬間に太ももの前の筋肉が強く働く |
| 床に膝をつく | 床遊び、おむつ替え、掃除 | お皿の下の出っ張りに体重が直接のる |
| 抱えて立ち上がる | 抱っこ、午睡明けの抱き起こし | 自分の体重に子どもの重さが加わった状態で膝を伸ばす |
深くしゃがんで目線を合わせる動作
深くしゃがむ動作は、膝のお皿(膝蓋骨)の裏側と太ももの骨が押し付け合う力が高まりやすい姿勢です。着替えの手伝いのように、しゃがんだまま前かがみで数十秒止まる場面では、膝を曲げた位置で太ももの筋肉が縮み続けます。痛みが立ち上がる瞬間に強く出る方は、この動作の比重が大きいと見ています。
床に膝をつく動作
膝をつく動作は、お皿のすぐ下にある骨の出っ張りに体重が集中する姿勢です。硬い床やマットの継ぎ目に膝をつくと痛みが出やすくなります。摩擦を繰り返し受けた皮膚は厚く硬くなり、黒ずんで見えることもあるため、膝の黒ずみに悩む保育士さんもこの動作を見直す意味があります。
子どもを抱えて立ち上がる動作
抱えて立つ動作は、自分の体重に子どもの重さを足した荷重を、膝を曲げた位置から持ち上げる動作です。1〜2歳児クラスでは、おおむね10キロ前後の子どもを1日に何度も抱き上げることになります。子どもが体から離れた位置にあるほど、膝と腰は大きな力で踏ん張ることになります。
膝の痛む場所によって考えられる状態は変わる
保育士の膝痛は、痛む場所と痛む場面を組み合わせると、どのような状態が考えられるかの見当がつきます。下の表は見当をつけるための目安で、診断は医師が診察や画像検査をもとに行います。
| 痛む場所と場面 | 考えられる状態の例 | 補足 |
|---|---|---|
| 膝の内側、お皿の斜め下が歩き始めや階段で痛む | 鵞足炎(がそくえん。太もも内側の筋肉の腱が骨に付く部分の炎症) | 膝が内側に入るしゃがみ方の人で出やすいとされる |
| お皿の周りや裏が、しゃがむ・立ち上がるときに痛む | 膝蓋大腿関節(お皿と太ももの骨の間の関節)の痛み | 深く曲げる動作が多いほど出やすい |
| 膝をつくと、お皿の前や下が痛む・ぷっくり腫れる | 膝の前の滑液包炎(クッションの役目をする袋の炎症) | 膝をつく仕事で起きやすいとされる |
| 膝の内側全体が痛み、朝の動き始めがこわばる | 変形性膝関節症(軟骨がすり減り関節が変形していく状態) | 中高年の女性に多いとされるが、年齢だけでは判断できない |
| ひねった後に引っかかる、急に伸びなくなる | 半月板損傷 | けがの直後は整形外科の受診が先 |
変形性膝関節症は、進行の度合いによってできる対策の範囲が変わります。軽い段階では動作の工夫や筋力の維持が中心になり、進んだ段階では医師の治療方針が優先されるため、すでに診断を受けている方は主治医に仕事での動作を伝えてから対策を選んでください。
保育士の膝痛対策は膝を鍛える前に動作を置き換えることから
保育士の膝痛対策で最初に手を付けたいのは、筋トレやストレッチよりも、膝を深く曲げる回数そのものを減らす動作の置き換えです。痛む膝に負担をかける動作を1日に何十回も続けたままでは、勤務後のケアで回復する分より、翌日の勤務で負担がかかる分のほうが多くなるためです。
保育士の膝痛対策は、減らす、分ける、鍛えるの順で進めると続けやすくなります。ここでの「減らす」はしゃがむ回数、「分ける」は左右の脚と膝をつく位置への負担の分散、「鍛える」は勤務後のセルフケアを指します。
しゃがむ回数は低い椅子で減らす
しゃがむ回数は、園にある子ども用の低い椅子やスツールに腰かけることで減らせます。座面の高さが20〜30センチほどあれば、目線を下げながら膝の曲がりを浅く保てます。椅子が使えない場面でしゃがむときは、次の順で体を下ろすと膝だけで体重を受け止めずに済みます。
- 足幅を肩幅より少し広げ、つま先をやや外に向ける
- お尻を後ろに引きながら、股関節から先に曲げる
- 膝がつま先より大きく前に出ない深さで止める
- 立ち上がるときは、太ももに手をついて体を押し上げる
膝をつく場面は床との間に1枚挟む
膝をつく場面では、硬い床に直接つかず、ジョイントマットの上を選ぶか膝当てパッドを使います。片膝をつくときは、いつも同じ側にならないよう左右を交互にします。床遊びが長くなる時間帯は、膝をつく姿勢と、あぐらや低い椅子に座る姿勢を途中で入れ替えると、同じ部位に体重がのり続けません。
抱っこは子どもを体に引き寄せてから立ち上がる
抱っこで立ち上がるときは、子どもを胸や腰に密着させてから、足を前後に開いて膝を伸ばします。床から抱き上げる回数は、子どもに先にベンチや台の上へ移ってもらい、その高さで受け渡すと減らせます。抱えたまま深くしゃがむ動作と、いつも同じ腕と脚で抱える癖は、どちらも片側の膝に負担を寄せる原因になります。
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勤務後のセルフケアは太ももとお尻を中心にする
勤務後や休日のセルフケアは、膝を支える太ももの前の筋肉と、しゃがむときに膝の代わりに働くお尻の筋肉を中心にすると、現場での動作の置き換えと組み合わせやすくなります。代表的なケアは次の3つです。
| ケア | やり方 | やめる目安 |
|---|---|---|
| 太もも前の筋トレ | 椅子に座り、片脚ずつ膝を伸ばして5秒止める。左右10回ずつ | 膝の中に痛みが出る、終わった後に痛みが増す |
| お尻の筋トレ | 仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げて3秒止める。10回 | 腰に痛みが出る |
| 太もも裏とふくらはぎのストレッチ | 反動をつけずに20〜30秒伸ばす | しびれや鋭い痛みが出る |
冷やすか温めるかは、膝に熱っぽさと腫れがあるかで選びます。勤務直後に熱感や腫れがあるときは、保冷剤をタオルで包んで15〜20分ほど冷やし、熱感のない慢性的なこわばりには入浴などで温める方法が向いています。冷やしても熱感と腫れが数日続く場合は、セルフケアで様子を見る段階ではありません。
体重も膝の負担に関わります。大垣中央病院の解説では、体重を1キロ減らすと膝への負荷がおよそ4キロ軽くなると説明されています。食事を急に減らすと膝を支える筋肉まで落ちやすいため、減量は筋トレと並行して少しずつ進めます。
保育士の膝サポーターは目的を1つに絞って選ぶ
保育士の膝サポーターは、痛む膝を支えたいのか、膝をつくときの衝撃と摩擦を減らしたいのか、冷えを防ぎたいのかを1つ決めてから選ぶと、合わないものを買い直す回数が減ります。人気の商品でも、目的と違うタイプを選べば勤務中の困りごとは解決しません。
| 目的 | 向くタイプ | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| お皿の周りの痛みや不安定さを支える | お皿を囲むパッド入り、ベルトで締め具合を調整できるタイプ | 締めすぎると膝裏のむくみやしびれにつながる |
| 膝をつくときの衝撃と摩擦を減らす | 膝当てパッド、クッション入りの薄手タイプ | 黒ずみのかゆみや荒れが続くなら皮膚科に相談する |
| 冷えや軽い違和感を和らげる | 薄手の筒状タイプ | 支える力は弱く、痛みが強い膝には足りない |
サポーターは動作の負担を減らす補助で、痛みの原因そのものを取り除く道具ではありません。長時間きつく締め続けると、むくみや皮膚のかぶれにつながるため、勤務中だけ着ける使い方が基本です。整形外科で装具を処方されている方は、市販品に替える前に主治医の指示を確かめてください。
保育の現場で使うなら、試着のときに深くしゃがんで、ずり落ちて膝裏に食い込まないかを確かめます。エプロンやジャージの下に着けて目立たない薄さのもの、ゆるめでも動くたびにずれないものが、1日中動き回る仕事には合っています。
膝痛がぶり返す保育士は股関節と足首の硬さを見落としている
動作を置き換えても膝痛がぶり返す場合、膝の上下にある股関節と足首が硬く、しゃがむたびに膝が代わりに曲がり過ぎていることがあります。股関節が曲がりにくいとお尻を後ろに引けず、足首が硬いとかかとが浮くため、どちらも膝を前に突き出す形でしゃがむことになるのです。
次の項目に当てはまるかを確かめてください。
- かかとを床につけたまま深くしゃがめない
- しゃがむと膝が内側に入る
- 片脚立ちで10秒ほど止まるとふらつく
- 抱っこする腕と、踏ん張る脚がいつも同じ
- 上履きのかかとが片側だけすり減っている
当てはまる項目が多いほど、膝だけを揉んだり冷やしたりしても、翌週には同じ動作で痛みが戻りやすいと見ています。慢性の関節痛を扱ってきた立場から本音を言えば、膝の痛みの出どころと、膝に負担を集めている場所は別であることが珍しくありません。
とりわけ見落とされがちなのが、毎日履いている上履きです。底が薄くかかとの支えが弱い上履きは、着地のたびの衝撃をそのまま膝に伝え、すり減った側へ膝を傾けます。かかとがつぶれてきたら、痛みが出る前に替える時期と考えてください。

腫れや引っかかりがある膝痛は医療機関を先に受診する
次のような症状があるときは、セルフケアや整体より先に整形外科を受診してください。関節の中の損傷や炎症、感染などは、画像検査や血液検査をしなければ見分けられないためです。
- 膝が腫れて熱を持っている、水がたまったように膨らんでいる
- 転ぶ、ひねる、ぶつけるなどの後から痛みが始まった
- 膝が引っかかって急に伸びない、曲がらない
- 歩いている途中で膝がガクッと崩れる
- 夜中や安静にしていても痛む
- 発熱を伴う
- 体重をかけられず歩けない、足にしびれがある
CUREPROは、ねんざや打撲、骨折などのけがによる痛みを施術の対象としていません。けがの直後の痛みは医療機関で診てもらい、医師から日常生活に戻ってよいと言われた後も続く慢性的な痛みが、整体で相談していただける範囲です。
膝痛で退職を考える前に職場と話し合えることがある
膝痛や変形性膝関節症で退職を考え始めたら、辞めるかを決める前に、主治医の見立てを持って職場と担当や役割を話し合う余地があります。話し合える項目の例は次のとおりです。
- 担当クラス(抱っこの回数が少ない年齢のクラスへの変更)
- 行事での役割(運動会の準備や遠足の引率を別の業務と交換する)
- 園の設備(低い椅子やマットを保育室に置く)
- シフト(膝を休める日を連続勤務の間に入れる)
主治医から仕事の制限を指示されている場合は、その指示が職場との話し合いの前提になります。職員数の少ない園では配置の変更が難しいこともあるため、変更が通らなかったときに勤務時間を減らすか、膝への負担が少ない職場へ移るかまで、先に考えておくと話し合いで迷いません。
保育士の膝痛についてよくある質問
保育士の膝痛について、よく寄せられる質問に答えます。
保育実習中に膝が痛くなったらどうすればいいですか
実習中にできる動作の置き換えから始めてください。低い椅子に座って子どもと関わる、膝をつくときはマットの上を選ぶといった工夫は、実習生でも取り入れられます。腫れや熱感がある、歩くと痛むといった場合は、実習担当の先生に伝えたうえで整形外科を受診してください。
膝をつくとお皿の下が痛いのはなぜですか
お皿の下の骨の出っ張りに体重が集中するためと考えられます。膝の前にあるクッションの袋が炎症を起こしている場合もあり、ぷっくりと腫れているときは整形外科で診てもらってください。
膝サポーターは寝るときも着けたほうがいいですか
基本的には外して構いません。寝ている間は膝に体重がかからず、締め付けによるむくみのほうが問題になりやすいためです。医師から夜間も装具を着けるよう指示されている場合は、その指示に従ってください。
膝に水がたまったと言われたら仕事を休むべきですか
主治医の判断に従ってください。膝に水がたまるのは関節の中で炎症が起きている状態で、原因によって安静が必要な期間が変わります。休めない事情がある場合も、その事情を主治医に伝えて、勤務中に避ける動作を具体的に聞いておくと職場にも説明しやすくなります。
変形性膝関節症と診断されても保育士を続けられますか
続けられるかは、病気の進み具合と、職場で動作や担当を調整できる範囲で決まります。医師から運動療法や動作の工夫で経過を見る段階と言われている場合は、本記事の動作の置き換えが続けるための土台になります。
まとめ|保育士の膝痛対策は膝を鍛える前に動作を減らすことから
保育士の膝痛は、しゃがむ、膝をつく、抱えて立つという3つの動作の積み重ねで起きやすく、慢性的な関節の痛みを東京・埼玉・千葉の10院で見てきたCUREPROとしては、対策の順番を次のように考えています。
- 低い椅子やマットを使い、膝を深く曲げる回数を減らす
- 左右の脚と膝をつく位置を入れ替え、負担を分ける
- 勤務後に太ももとお尻を鍛え、股関節と足首の硬さを確かめる
腫れや熱感、引っかかりがある膝痛は、どの対策よりも先に整形外科を受診してください。サポーターは目的を1つに絞って選び、動作の置き換えを助ける道具として使います。
しゃがむたびに膝が気になる保育士さんはCUREPROで動き方から相談できます
低い椅子もマットも試したのに、翌週には同じ膝が痛む保育士さんは、膝に負担を集めている股関節や足首の使い方が残っているのかもしれません。CUREPROは保険を使わない完全自費の整体院で、膝や股関節、足首などの慢性的な関節の痛みを東京・埼玉・千葉の10院で施術しています。
ご来院の前に、次の3つを整理しておくと、仕事の中でどの動作が膝に響いているのかを初回から一緒に絞り込めます。
- 膝のどこが痛むか(内側、お皿の周り、お皿の下など)
- どの動作で痛むか(しゃがむ、膝をつく、抱えて立つ、階段など)
- 整形外科を受診したことがあるか、そのとき何と言われたか
けがによる痛みや、腫れと熱感が続く膝は医療機関での診察を先にお願いしています。そのうえで、仕事を続けながら膝の負担を減らしたい方の相談をお待ちしています。
運営者情報
本記事は、株式会社May-Plus(代表取締役・阿部純治、柔道整復師)が運営するCUREPROのオウンドメディア編集部が作成しました。CUREPROは東京都・埼玉県・千葉県で10院を展開する、保険を使わない完全自費の整体院です。本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医師による診断や治療に代わるものではありません。
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監修者プロフィール:阿部純治(柔道整復師)

