骨折後に整体へ行けるのはいつからか|医師の許可と受ける前の確認点
「ギプスが外れたし、固まった足首を整体でほぐしてもらえば早く元に戻りそう」。固定を外した日に医師から「あとは少しずつ動かしていきましょう」と言われると、その先は自分の判断で進めてよいと受け取る方が多いはずです。
しかし、骨折から時間がたった方の体の相談を受けてきたCUREPROの立場から言えるのは、骨折後の整体は「何週間たったか」ではなく、医師が骨のつき具合を確かめて運動の制限を外したかどうかで決まる、ということです。
本記事では、骨がつくまでの段階、整体を受けてよい時期の判断、法律上の線引き、固定の後に残りやすい体のくせ、受ける前に確かめたいことまで、柔道整復師が在籍する整体院の視点で順を追ってお伝えします。

骨折後の整体は医師が骨の癒合を確認してから受けるのが目安
骨折後に整体を受けられるのは、医師がレントゲンなどで骨がついたこと(骨癒合)を確認し、運動の制限を外した後が目安です。骨がつく前の患部に外から力を加えると、骨のずれや骨がつくまでの遅れにつながるおそれがあるためです。
骨折の回復を4つの時期に分け、医療機関で行うことと整体の位置づけを表にしました。
| 回復の時期 | 医療機関で行うこと | 整体の位置づけ |
|---|---|---|
| ギプスや装具で固定している時期 | 固定、レントゲンでの経過観察 | 受けない。患部以外への施術も主治医に確認する |
| 固定を外した直後 | 関節を動かす訓練、体重をかける量の段階的な許可 | 病院のリハビリを優先する |
| 骨癒合を確認し、運動の制限が外れた後 | 通院の間隔が空き、日常の動作へ戻る | 主治医の了承を得て、患部以外を中心に相談できる |
| 痛みが引いた後も違和感が残る時期 | 必要に応じて再評価 | 姿勢や動作のくせを見直す選択肢になる |
運動の制限が外れた状態とは、走る、重い物を持つ、体重を全部かけるといった動作を医師が許可した状態を指します。ギプスが外れた日と制限が外れた日は同じとは限らず、脚の骨折では体重をかける量を段階的に増やすよう指示されることがあります。
次の受診日には「整体やマッサージを受けてもよいか」を主治医に聞いておいてください。答えを診察の場でもらっておけば、受ける時期の判断が自己流になりません。
骨がつくまでの期間は部位と折れ方と年齢で大きく変わる
骨がつくまでの期間は、折れた部位、ずれの大きさ、年齢と骨の質で変わり、一律の週数では決まりません。日本整形外科学会「骨折」(症状・病気をしらべる)にも、治療の方法と骨癒合までの期間は折れ方によって千差万別だと明記されています。
骨折の回復は、一般的に3つの段階で進みます。
| 段階 | 体の中で起きていること | この時期に気をつけること |
|---|---|---|
| 炎症期(受傷から数日ほど) | 出血と腫れが起き、痛みが強い | 固定と安静を守り、患部を動かさない |
| 修復期(数週間ほど) | 仮骨(やわらかい新しい骨)ができ、骨がつながり始める | 医師の指示の範囲で、周りの関節を動かす |
| リモデリング期(数か月以上) | 仮骨が硬い骨に置き換わり、形が整っていく | 体重をかける量や運動を段階的に戻す |
表の期間は目安で、手の指のように細い骨と、太ももの骨のように体重を支える骨とでは、骨がつくまでの時間に差があります。高齢の方や骨粗しょう症のある方、喫煙の習慣がある方は時間がかかりやすく、同じ部位の骨折でも人によって数週間単位でずれます。
見落とされがちなのが、痛みが引いた時期と骨がついた時期は一致しないという点です。痛みが軽くなっても骨はまだ修復期にあることがあり、骨がついたかどうかはレントゲンを見て医師が判断します。
骨折の患部は整体の対象ではなく法律でも線が引かれている
骨折の患部そのものへの施術は、整体の対象ではありません。骨折や脱臼への施術は柔道整復師の業務として法律に定められており、その柔道整復師であっても、応急手当を除いて医師の同意がなければ骨折の患部に施術できないと、柔道整復師法(厚生労働省 法令等データベース)の第17条に定められています。
整体そのものは、国家資格の制度がない民間の手技です。いわゆるカイロプラクティック療法について示した厚生労働省の通知「医業類似行為に対する取扱いについて」では、手技で症状を悪化させやすい例として骨粗しょう症などが挙げられ、明確な診断がある場合は施術の対象とするのは適当でないとされています。
骨折にどう関われるかを、相談先の施設ごとに並べました。
| 相談先 | 骨折への関わり方 | 健康保険 |
|---|---|---|
| 整形外科 | 診断、整復、固定、手術、リハビリ | 使える |
| 接骨院・整骨院(柔道整復師) | 応急手当、医師の同意を得た後の施術 | 条件を満たせば使える |
| 整体院 | 骨折の患部は扱わない。骨癒合後、主治医の了承のもとで体全体の使い方を見る | 使えない(自費) |
整体院と整骨院の制度上の違いは、整体と整骨院の違いで整理しています。骨折後の相談先を選ぶときは、施設の看板よりも、骨折の患部に触れてよい資格があるかと、医師の同意を得ているかを基準にすると迷いません。
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ギプスが外れた後のリハビリは病院が中心で整体は補助にとどまる
ギプスや装具が外れた直後のリハビリは、骨折の経過を知る医師と理学療法士のもとで進めるのが基本です。固定で硬くなった関節を動かす訓練は、骨のつき具合に合わせて角度や負荷を決める必要があり、判断の材料になるレントゲンは医療機関にしかないためです。
固定を外した後に関節が動かしにくいのは、関節の周りの筋肉や関節包(関節を包む袋)が縮んで硬くなる拘縮が起きているためです。拘縮は動かし始めるのが遅れるほど戻りにくく、自己流で強く伸ばすと痛みが出て、かえって動かすのが怖くなります。
病院のリハビリでは、自宅での過ごし方について次の4点を聞いておくと、通院日以外の判断に迷いません。
- 自宅でしてよい運動と、1日の回数
- 体重をかけてよい量と、つえを外してよい時期
- 運動中に痛みが出たとき、やめる目安
- 入浴や温めることを始めてよい時期
整体は、医療機関でのリハビリが終わった後か、主治医が併用を了承した場合に、補助として考える位置づけです。リハビリの期間中に整体を併用したいときも、先に主治医と担当の理学療法士に伝えてください。
骨折後に整体で見直せるのは患部より固定中に崩れた体の使い方
骨折後に整体で見直せるのは、骨そのものではなく、固定と安静の間に体全体に残った動き方のくせです。足を骨折して松葉づえで過ごすと、反対の脚と腰に体重が偏り、骨がついた後もその偏りが歩き方に残ることがあります。
骨折した部位ごとに、固定中に起きやすいかばい方と、骨がついた後に負担が出やすい場所を4つ挙げます。
| 骨折した部位 | 固定中に起きやすいかばい方 | 骨癒合後に負担が出やすい場所 |
|---|---|---|
| 足首・足の甲 | 反対の脚に体重を寄せる、つま先を外に向けて歩く | 反対側の膝と股関節、腰 |
| 手首 | 腕を体に寄せ、肩をすくめたまま過ごす | 首と肩、肩甲骨のまわり |
| 肋骨 | 呼吸を浅くし、背中を丸めて痛みを避ける | 背中、首 |
| 膝のまわり | 膝を伸ばしたまま脚を外から振り出して歩く | 股関節、腰 |
骨がついた後につらくなるのは、骨折した場所ではなく、反対側の膝や腰であることも珍しくないと感じています。痛む場所と負担を生んでいる場所がずれているため、患部だけを見ていると原因がつかみにくくなります。
骨折の後に長引く不調は、骨の問題ではなく、かばった期間の動き方が体に残った結果であることが多いのです。固定が長かった方ほど、痛みがなくなった後も無意識にかばう歩き方や腕の使い方を続けており、骨がついたと言われた後も片側ばかりに負担が集まります。
足首の不安定さやかばう歩き方については足首が痛い原因で、手をつく動作で手首にかかる負担は手首を反らすと痛い原因で、それぞれ詳しく解説しています。

骨折後に整体を受ける前は医師と施術者の両方に確認をとる
骨折後に整体を受ける前には、主治医に施術を受けてよいかを確認し、その答えを施術者に伝えることが欠かせません。整体の施術者はレントゲンを見られないため、骨のつき具合は医師の判断を言葉で受け取るしかないからです。
整体を受けるまでに確かめておきたいことを、順に5つ挙げます。
- 主治医に「骨はついているか」「整体やマッサージを受けてよいか」「避けたい動きはあるか」を聞く
- 骨折した部位、骨折した時期、手術の有無、プレートやボルトが入っているかを施術者に伝える
- 骨粗しょう症の診断や、治療中の薬があるかを施術者に伝える
- 患部には触れない、または軽く触れる程度にしてほしいという希望を伝える
- 施術の後に痛みや腫れが増えたら次の施術を控え、主治医に連絡する
金属のプレートやボルトが入っている場合は、その周囲への強い圧や、関節を大きくひねる手技を避ける必要があります。問診で聞かれなかったときも、自分から施術者に伝えてください。
骨折後に次のサインがあれば整体より主治医の受診を優先する
骨折の経過中や骨がついた後でも、次のサインがあれば、整体の予約より先に主治医の受診を優先してください。骨のずれや骨がつくまでの遅れ、血栓や感染など、手技では対応できない問題が隠れていることがあるためです。
| サイン | 考えられること |
|---|---|
| いったん引いた痛みや腫れが、また強くなった | 骨のずれ、骨がつくまでの遅れ |
| ふくらはぎが片側だけ腫れて熱をもつ | 深部静脈血栓症(脚の静脈にできる血の塊) |
| 息苦しさや胸の痛みがある | 血の塊が肺に流れた可能性 |
| 手術の傷が赤く腫れる、熱が出る | 傷の感染 |
| 指先や足先がしびれる、色が悪い、冷たい | 神経や血流の障害 |
| 体重をかけると骨折した場所に鋭い痛みが走る | 骨がまだついていない可能性 |
息苦しさや胸の痛みを伴うときは、次の受診日を待たず、救急要請を含めてすぐに医療機関へ連絡してください。整体と医療機関の使い分けの考え方は、病院と整体の使い分けでも解説しています。
骨折後の整体に関するよくある質問
骨折後の整体について、相談の多い質問を5つ取り上げます。
ギプスをしている間に整体を受けてもよいですか
受けないのが無難です。患部から離れた場所への施術でも、施術中の姿勢や体の向きで骨折部に力がかかることがあるため、固定中に受けたい理由があるときは主治医の了承を先に得てください。
骨折後のマッサージはいつから受けられますか
医師が骨癒合を確認し、許可を出した後です。骨がつく前の患部をもむと、腫れが引きにくくなったり骨のずれを招いたりするおそれがあります。
骨折後は整骨院と整体のどちらに相談すればよいですか
骨がつくまでは、整形外科か、医師の同意を得て施術を行う整骨院が相談先です。骨がついて運動の制限が外れた後に、かばう歩き方や姿勢のくせが残っているなら、主治医の了承を得たうえで整体も選択肢になります。
骨折から何年もたって痛むのは骨折の影響ですか
影響の場合もあれば、別の原因の場合もあります。関節の中にかかる骨折の後は、何年もたってから関節の軟骨がすり減って痛むことがあるため、まず整形外科で骨と関節の状態を確かめてください。
高齢の家族が骨折した後に整体を受けさせてもよいですか
主治医の了承が前提です。高齢の方の骨折は骨粗しょう症が背景にあることが多く、骨折した場所以外の骨も弱くなっている場合があるため、施術を受けるなら骨粗しょう症の治療の有無を施術者に必ず伝えてください。
まとめ|骨折後の整体は日付ではなく医師の許可を起点に決める
骨折後に整体を受ける時期は、何週間たったかではなく、医師が骨癒合を確かめて運動の制限を外したかどうかで決まります。骨がつくまでの期間は部位と折れ方と年齢で変わり、痛みが引いた時期とも一致しません。
| 判断のポイント | 内容 |
|---|---|
| 整体を受けてよい時期 | 骨癒合の確認と運動制限の解除の後、主治医の了承を得てから |
| 骨折の患部 | 整体の対象外。柔道整復師でも医師の同意が必要 |
| ギプス後のリハビリ | 病院が中心。整体は補助 |
| 整体で見直せること | 固定中に崩れた歩き方や姿勢のくせ |
| 受診を優先するサイン | 痛みや腫れの再燃、片脚のふくらはぎの腫れ、息苦しさ、しびれ |
CUREPROは柔道整復師が在籍する整体院として、骨折の後は医師の判断を起点にし、整体はその後に残った体の使い方を整える役割にとどめるべきだと考えています。主治医に聞く、施術者に伝える、という2つの確認を挟むだけで、骨折後の整体は安全な選択肢になります。
体の使い方や姿勢の悩みを、プロに相談してみませんか?
骨がついた後に残る歩き方や姿勢のくせはCUREPROで相談できます
CUREPROは東京・埼玉・千葉で10店舗を展開する、健康保険を使わない自費の整体院です。骨折などの外傷の施術は行っておらず、医師から運動の制限を外された後に残る、かばう歩き方や姿勢の偏り、反対側の膝や腰の負担について、姿勢と動作の確認から見直すお手伝いをしています。
ご予約の際には、次のことをお知らせください。主治医の判断を踏まえたうえで、施術の範囲をご相談しながら進めます。
- 骨折した部位と時期、手術の有無、プレートやボルトの有無
- 主治医から整体を受ける了承を得ているか
- いまつらい場所と、骨折した場所との位置関係
- 骨粗しょう症の診断や治療の有無
施術の考え方はCUREPROの整体とはで紹介しています。骨はついたと言われたのに歩き方が元に戻らないと感じている方は、お近くのCUREPROの店舗でご相談ください。骨がついているかどうか分からない時期や、痛みや腫れが強くなっているときは、先に主治医を受診してください。
運営者情報
本記事は、整体院CUREPRO(キュアプロ)を運営する株式会社May-Plusが作成しました。CUREPROは東京・埼玉・千葉で10店舗を展開しています。本記事は一般的な情報提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。骨折の経過や施術を受けてよいかの判断は、主治医にご相談ください。