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コラム

坐骨神経痛の座り方とクッション
買う前に確かめたい高さと硬さ

坐骨神経痛の座り方とクッション|買う前に確かめたい高さと硬さ

▼この記事の監修者

CUREPRO代表 阿部純治 柔道整復師

阿部純治(あべ じゅんじ)

柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表

中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤と下半身の構造改善を得意とする。

「坐骨神経痛によいと書かれたクッションを買ったのに、夕方には結局お尻から脚がしびれてくる」。デスクワークの方から、この相談を本当によく受けます。売り場にも通販にも商品はあふれているのに、どれを選べば自分の座り方が楽になるのかは、なかなか見えてきません。

長く座る仕事の方の体を見てきた立場から申し上げると、坐骨神経痛の座り方でクッションが効くかどうかは、商品の性能よりも先に、座面の高さと骨盤の向きで決まっています。クッションは痛みを吸収する道具ではなく、座り方を変えるための道具だからです。

CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

「坐骨神経痛の座り方とクッション」を考えるときは、一つの部位だけでなく、姿勢や日常動作のつながりまで確認することが大切です。

本記事では、坐骨神経痛の座り方とクッションの関係を、タイプの見分け方から座面の高さ、硬さ、置き場所の決め方、そして買う前にできる確認方法まで、施術者の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること

  • 坐骨神経痛の座り方で最初に整えるべき順番
  • 座ると痛むタイプと座ると楽になるタイプの違い
  • クッションの高さ・硬さ・置き場所の決め方
  • クッションでは対応できない状態と、受診の目安

はじめに、座り方を工夫している場合ではない状態を確認してください。次のいずれかに当てはまるときは、クッションを探す前に医療機関へご相談ください。

  • 尿や便が出にくい、または漏れる。股の間の感覚が鈍い
  • 足首やつま先に力が入らず、階段でつまずくようになった
  • 両脚に症状が出ている。しびれの範囲が日ごとに広がる
  • 安静にしていても痛む。夜間に目が覚めるほど痛む
  • 発熱を伴う。転倒や事故のあとから続いている
  • がんの既往がある

特に1つ目は、緊急の対応が必要な状態として知られています。座り方の工夫で様子を見る対象ではありません。

坐骨神経痛の座り方はクッションより先に座面の高さと骨盤の向きで決まる

椅子の高さと骨盤の向きを整えて座る人

結論から申し上げます。坐骨神経痛の座り方で最初に整えるのは、深く腰かけること、足裏が床につく高さにすること、背もたれに体を預けることの3点です。クッションは、この3点を自力で作れないときに補う道具という位置づけになります。

この順番には、根拠があるのです。

厚生労働省の職場における腰痛予防対策指針は、座り作業について「椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とすること」とし、座面の高さは足裏全体がつく高さにするよう求めています。

さらに背当てのない椅子については「適当な腰当て等を使用させること」という一文もあります。

腰当て、つまりクッションは、椅子に足りない機能を補うものとして登場するのです。椅子の使い方が整っていない状態でクッションだけを足しても、期待した変化が出にくいのはこのためです。

整える順番 確認する内容
①座る位置 お尻を背もたれまで引き、背中と背もたれの間を空けない
②座面の高さ 足裏全体が床につく。膝の高さが股関節より低い
③骨盤の向き 坐骨の2点で座り、後ろに倒れて丸まっていない
④足裏の接地 両足とも床につく。届かなければ足台を使う
⑤背もたれと腰当て 腰の反りのすき間を埋め、体を預けられる

座ると痛むタイプと座ると楽になるタイプでは対策が変わる

座位で脚の状態を確認する施術者と利用者

ここで、比較記事ではほとんど語られない判断材料をお伝えします。坐骨神経痛と呼ばれる症状には、座る姿勢で強まるものと、逆に座ると和らぐものがあります。

日本臨床整形外科学会の坐骨神経痛の解説では、歩行や階段の昇り、脚を伸ばす動作で痛みが強まり、前かがみや座った姿勢で和らぐ場合があると説明されています。歩くとつらく、座ると楽になる。この現れ方をする方もいるということです。

現れ方 つらくなる場面 座り方とクッションの効きやすさ
座位で強まるタイプ 長く座る、前かがみ、車の運転 座面の高さと骨盤の向きの調整が効きやすい
歩行で強まるタイプ 歩く、立ち続ける、腰を反らす 座り方より、歩行中の休み方と受診の優先度が高い

坐骨神経痛は病名ではなく、症状の呼び名です。背景には腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、お尻の奥にある梨状筋の緊張など、いくつもの状態が考えられます。どれが背景にあるかによって、座位で強まるか歩行で強まるかも変わってきます。

自分がどちらに近いかを知らないまま商品を選ぶと、判断がぶれます。まずは1週間、どの場面で症状が出るかを書き留めてみてください。座っているときに強まるなら、座り方とクッションの見直しは取り組む価値があります。歩行で強まるタイプは、原因の見立てを先に立てるほうが近道でしょう。

柔らかいクッションほど楽になるとは限らない

柔らかさの異なるクッションを比較する人

お尻が痛いのだから柔らかいものを、と考えるのは自然です。ただ、ここで視点を反転させましょう。

深く沈み込む座面では、骨盤が後ろに倒れやすくなります。骨盤が倒れると背中が丸まり、坐骨よりも尾骨側に体重が寄っていきます。柔らかさを求めた結果、かえって骨盤を支えられない座面を選んでしまうことがあるのです。

CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

セルフチェックは状態を知るための目安です。結果だけで原因を断定せず、左右差や症状の出方も合わせて見てください。

目安としては、座ったときの沈み込みが2センチから3センチ程度にとどまり、底に当たる感覚がないものを選びます。手のひらで押して、指がすっと沈み切ってしまう製品は柔らかすぎる可能性が高いと見ています。

低反発と高反発のどちらがよいかという問いに一つの答えはありませんが、長く座るほど沈み込みが進む素材は、途中で座り直す前提で使うほうが無難です。

坐骨神経痛の座り方は5つの点で整える

足裏を床につけて座位姿勢を整える人

ここまでの整理を、実際の座り方に落とし込みます。

お尻を背もたれまで引いてから座る

椅子に浅く腰かけると、背中が丸まって骨盤が後ろに倒れます。座ったらまずお尻を後ろへ引き、背中と背もたれの間にすき間を作らないでください。この一手間だけで、座面にかかる圧の位置が変わります。

坐骨の2点で座る感覚をつかむ

坐骨はお尻の下にある左右2つの骨の出っ張りです。手のひらをお尻の下に入れて座ると、硬い骨が当たるのがわかります。その2点が座面に当たる位置が、骨盤が立っている状態です。骨盤の向きについては、腰の痛みの原因の記事でも触れています。

座面の高さは膝が股関節より低くなるように合わせる

座面が低いと股関節が深く曲がり、骨盤は後ろへ倒れます。膝が股関節より少し低い位置に来る高さが目安です。椅子の高さを変えられない場合、この不足を埋めるのがクッションの高さという要素になります。

足裏は両方とも床につける

足が浮いていると、脚の重さが太ももの裏に集まり、お尻の下の圧が増します。届かないときは足台を使ってください。厚めの本を重ねるだけでも代用できます。片脚を組む習慣がある方は、左右どちらかで組みたくなること自体が、骨盤が安定していないサインかもしれません。

腰の反りのすき間を埋めて体を預ける

背もたれと腰の間には、通常すき間ができます。ここを薄いクッションやタオルで埋めると、体を預けても骨盤が倒れにくくなります。厚すぎると腰が反りすぎるため、握りこぶし程度の厚みから試すとよいでしょう。

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クッションは高さと硬さと置き場所の3点で選ぶ

椅子にクッションを正しく置く人

商品の説明文には多くの機能が並びますが、判断すべき点は多くありません。

高さは椅子の不足分で決める

座面が低い椅子には厚めを、もともと高さの合っている椅子には薄めを選びます。厚さ8センチのものを高さの合った椅子に足せば、今度は足裏が浮いてしまいます。高さは製品の良し悪しではなく、椅子との組み合わせで決まる要素です。

硬さは沈み込みの深さで判断する

前の章で触れた沈み込み2センチから3センチが目安です。店頭で試せるなら、実際に座って10分ほど過ごしてみてください。座った瞬間の感触と、10分後の感触は別物です。

置き場所は座面か腰かを分けて考える

クッションには座面に敷くものと、腰に当てるものがあります。役割が違うため、どちらが必要かを分けて考えてください。

種類 役割 向いている場面
座面クッション 座面の高さと圧の分散を補う 椅子が低い。座面が硬い、または沈みすぎる
腰当て(背もたれ用) 腰のすき間を埋めて骨盤を支える 背もたれが平ら。深く座ると背中が丸まる
円座タイプ 中心の圧を逃がす 尾骨まわりが当たって痛い場合に限る
ゲル・低反発タイプ 圧を分散する 短時間の使用。長時間は沈み込みに注意

円座タイプについては注意が必要です。中心が空いている形は尾骨や患部の圧を逃がす目的で作られており、坐骨神経痛の方すべてに向くわけではありません。坐骨の当たる位置まで空いてしまうと、骨盤を支える土台がなくなり、かえって座りにくくなることがあります。

買う前に自宅のバスタオルで2週間試すと必要なものがわかる

バスタオルを折って座面の高さを試す人

ここで、施術の現場に立ってきた立場から本音を申し上げます。クッションを買う前に、無料でできる確かめ方があります。

やり方は簡単です。バスタオルを2つか3つに折りたたみ、座面の後ろ半分に敷いて数日間過ごします。折る回数で厚みを変えられるため、自分の椅子に何センチ足りないのかが具体的にわかります。

  • 厚みを足すと楽になる。折る回数を増やすほど良い方向へ向かう場合は、高さが不足していたということ
  • 厚みを変えても変化がない場合は、高さ以外に原因があるということ
  • 後ろ半分だけ厚くすると楽になる場合は、骨盤の向きが課題だったということ
  • 腰にタオルを丸めて当てたときのほうが楽な場合は、必要なのは座面ではなく腰当てだということ

2週間ほど試せば、どの製品を探せばよいかが絞れます。数千円の買い物を何度も繰り返すより、確実だと感じています。

CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

ストレッチや運動は、痛みが増えない範囲で少しずつ続けましょう。強い違和感がある場合は中止してください。
CUREPRO監修者 阿部純治 柔道整復師

阿部純治

ご相談の際は、普段お使いの椅子の写真を撮ってきていただくことがあります。座面の高さ、背もたれの形、肘掛けの有無。この3つがわかるだけで、その方に足りないものはかなり絞れます。クッションを4つも5つも試したという方の椅子を見ると、座面が低すぎる、あるいは背もたれが後ろに倒れすぎていて、そもそもクッションで補える範囲を超えている場合が少なくありません。買い替えるべきなのがクッションなのか椅子なのかを分けて考えるだけで、遠回りを減らせます。

医療用という表示とクッションにできることの線引き

クッションの役割と限界を説明する施術者

通販では医療用という言葉を含む商品名をよく見かけます。ここは正確に理解しておいてください。

一般に販売されているクッションは、医療機関で扱う体圧分散のための用具とは別のものです。商品名に医療用と付いていても、症状を診断したり、原因となっている状態そのものを解決したりする道具ではありません。座り方を保ちやすくして、負担を減らす。役割はここまでです。

骨盤を支えると書かれた製品についても同じ見方をしてください。座っている間の姿勢を保ちやすくする補助であり、骨盤の状態そのものを変える道具ではないと考えるのが妥当でしょう。過度な期待をせず、座り方を整える手段の一つとして使うほうが、結果的に長く役立ちます。

クッションを替え、座り方を整えても2週間から4週間で変化が見られないときは、座り方以外の要因を疑う段階です。記事の冒頭に挙げた症状がある場合はもちろん、痛みやしびれが以前より広がっている、片脚だけ細くなってきたと感じる場合も、整形外科でご相談ください。

坐骨神経痛の座り方とクッションについてよくある質問

坐骨神経痛の座り方を相談する利用者と施術者

デスクワークでは何分ごとに立てばよいですか

30分から60分に一度を目安にしてください。腰痛予防対策指針も、長時間の座り作業では適宜立つように心がけることを求めています。立ち上がって10歩ほど歩くだけでも、座面にかかり続けていた圧が一度切れます。

床に座るときはどうすればよいですか

床では骨盤が後ろに倒れやすく、坐骨神経痛のある方には条件が厳しくなります。どうしても床に座る場合は、座布団を二つ折りにしてお尻の後ろ半分だけに敷き、骨盤を少し前に傾けてください。あぐらより、片膝を立てる姿勢のほうが楽な方もいます。

車の運転で症状が出るときの対処はありますか

運転席は座面が後ろに傾いている車種が多く、骨盤が倒れやすい環境です。座面の後ろ側にタオルを入れて水平に近づけ、背もたれは倒しすぎないでください。車の運転時の坐骨神経痛対策も参考にしながら、長距離では1時間ごとに降りて歩くと、負担のかかり方が変わります。

ソファで休むときに気をつけることはありますか

深く沈むソファは、骨盤が倒れたまま長時間を過ごす原因になりやすいところです。硬めのクッションを腰と背もたれの間に入れるか、床に近い姿勢で脚を伸ばして休むほうが、腰まわりの負担は減ります。

クッションと一緒にやっておくとよいことはありますか

あります。座り続けるとお尻の筋肉が硬くなり、股関節の前側も縮みます。

お尻のストレッチや、股関節の前側を伸ばす動きを1日数分でも挟んでください。太ももの裏に症状が出る方は、太ももの裏が痛む原因もあわせてご覧ください。

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まとめ|坐骨神経痛の座り方はクッションを足す前に椅子から整える

坐骨神経痛の座り方で最初に確かめるのは、クッションの機能ではありません。深く腰かけているか、足裏が床についているか、骨盤が後ろに倒れていないか。この3点が整って初めて、クッションは足りない部分を補う道具として働きます。

買う前に、バスタオルで2週間試してください。必要なのが座面の高さなのか、腰当てなのか、それとも椅子そのものの入れ替えなのかが見えてきます。

そして、クッションにできることの範囲は限られています。しびれや脚の力の入りにくさ、排尿や排便の異常があるときは、座り方を工夫する前に医療機関へご相談ください。

CUREPROは完全自費で、痛む場所だけでなく体全体のつながりから構造を整える整体院です。坐骨神経痛のご相談では、股関節と骨盤の動き、お尻の痛みの出方、そして普段どの椅子でどれだけ座っているかまで確認したうえで、施術と座り方の見直しの優先順位をお伝えしています。

クッションを何度も買い替えてきた方こそ、一度ご自身の座り方を見てもらってください。東京・埼玉・千葉の10院でお待ちしています。

この記事の監修者

CUREPRO代表 阿部純治 柔道整復師

阿部純治(あべ じゅんじ)

柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表

中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤と下半身の構造改善を得意とする。

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