捻挫の治し方|応急処置・固定・早く回復させるコツと受診目安
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤矯正と下半身の構造改善を得意とする。
歩いていて足をひねった、スポーツ中に手首をついた、突き指をした。捻挫は、日常でもスポーツでも起こりやすい、身近なケガです。「ちょっとひねっただけ」と軽く見られがちですが、最初の対処の良し悪しで、回復の速さも、後々まで残るかどうかも変わってきます。
捻挫とは、関節を支える靭帯(じんたい)などが、本来の可動域を超えてひねられて損傷した状態です。応急処置の基本を知っておくと、いざというときに落ち着いて対処できます。この記事では、受傷直後の応急処置(RICE・最新のPOLICE)、足首・手首・指の対処、重症度別の固定と回復のめやす、見逃せない骨折の見分け方、そして放置すると捻挫が癖になる理由までを、捻挫の応急処置を専門とする柔道整復師の視点からお伝えします。足首のケアは足首ストレッチもあわせてご覧ください。
捻挫したらまず行う応急処置(RICE処置)
捻挫をしたら、できるだけ早く応急処置を始めることが、回復を早める第一歩です。基本は、4つの頭文字をとった「RICE(ライス)処置」です。受傷直後から行ってください。
| 頭文字 | 処置 | 内容 |
|---|---|---|
| R(Rest) | 安静 | 動かさず、患部に体重をかけない |
| I(Icing) | 冷却 | 氷や保冷剤で15〜20分冷やす |
| C(Compression) | 圧迫 | 包帯やテープで適度に圧迫する |
| E(Elevation) | 挙上 | 患部を心臓より高く上げる |
冷却は、氷を袋に入れて患部に密着させ、15〜20分を目安に冷やします。冷たい→痛い→感覚が鈍くなる、と変化したらいったん外し、皮膚が赤くなりすぎないよう注意してください。圧迫は腫れを抑えるのに有効ですが、強すぎると血流を妨げるため、しびれや変色が出たらすぐにゆるめます。捻挫の炎症は受傷後24〜72時間でピークを迎えるため、この時期はとくに冷却・安静が大切です。
最新のPOLICE処置とは
近年は、RICEに代わる考え方として「POLICE(ポリス)処置」も知られるようになりました。完全に安静にし続けるより、痛みのない範囲で適度に動かすほうが回復によい、という考え方が加わったものです。
| 頭文字 | 処置 | 内容 |
|---|---|---|
| P(Protection) | 保護 | サポーター等で患部を保護する |
| OL(Optimal Loading) | 適切な負荷 | 痛みのない範囲で少しずつ動かす |
| I(Icing) | 冷却 | RICEと同じく冷やす |
| C(Compression) | 圧迫 | RICEと同じく圧迫する |
| E(Elevation) | 挙上 | RICEと同じく高く上げる |
ただし、「適切な負荷」をいつ・どのくらいかけるかは、捻挫の重症度によって大きく異なります。自己判断で動かすと悪化させることもあるため、受傷直後はまずRICEで炎症を抑え、動かし始める時期は専門家に相談するのが安全です。
部位別の応急処置(足首・手首・指)
捻挫が起こりやすい部位ごとに、応急処置のポイントを整理します。基本はどこもRICE処置ですが、固定や安静の仕方に少し違いがあります。
| 部位 | 応急処置のポイント |
|---|---|
| 足首 | 体重をかけず、包帯・テープで固定。心臓より高く挙げる |
| 手首 | サポーターや包帯で固定し、使わないよう安静に |
| 指(突き指) | 引っ張らず、隣の指と一緒に固定して冷やす |
足首は、もっとも捻挫の多い部位です。多くは内側にひねって外くるぶしの靭帯を傷めます。突き指は捻挫の一種で、「引っ張れば治る」というのは誤りです。無理に引っ張ると、かえって組織を傷めることがあるため、隣の指に添えて固定し、冷やして受診してください。足の甲やくるぶしの痛みは足の指の骨折の見分け方もご参考に。
重症度別の固定と回復のめやす
捻挫は、靭帯の損傷の程度によって3段階に分けられ、固定の方法や回復にかかる期間が変わります。
| 重症度 | 状態 | 固定・回復のめやす |
|---|---|---|
| Ⅰ度(軽症) | 靭帯が軽く伸びた | テーピング・サポーター。1〜2週間ほど |
| Ⅱ度(中等症) | 靭帯が部分的に切れた | シーネ(添え木)など。数週間 |
| Ⅲ度(重症) | 靭帯が完全に切れた | ギプス固定や手術も。数週間以上 |
回復の期間はめやすであり、適切な固定とケアができているかで変わります。重要なのは、軽く見えても、靭帯をしっかり回復させるために必要な固定・安静の期間を守ることです。途中で「もう大丈夫」と自己判断して動かすと、靭帯が緩んだまま治り、後々まで影響が残ることがあります。
見逃せない「骨折」の見分け方
捻挫だと思っていたら、実は骨折していた、というのは珍しくありません。とくに、靭帯が付着する部分の骨が引きはがされる「剥離骨折(裂離骨折)」は、捻挫と症状が似ていて見分けがつきにくいものです。次のサインがあるときは、骨折を疑って整形外科を受診してください。
⚠ 骨折を疑う・すぐ整形外科を受診すべきサイン
- 受傷した部位を押すと、骨の上に強い痛みがある
- 体重をかけられない・数歩も歩けない
- 関節が変形している・明らかに腫れがひどい
- 30秒ほどの片足立ちができない(足首の場合)
- 内出血(青あざ)が広く出ている
- 時間が経っても痛みや腫れが引かない・悪化する
「歩けるから大丈夫」とは限りません。骨折があっても歩けることはあります。これらのサインがあるときは、自己判断で済ませず、レントゲンなどで骨折の有無を確認してもらうことが大切です。とくに成長期のお子さんは、骨の端の弱い部分(骨端線)を傷めることがあり、放置すると成長に影響することもあるため、注意が必要です。骨折の見極めは足の指の骨折の見分け方もご参考に。
捻挫を放置すると「癖」になる理由
捻挫でとくに気をつけたいのが、「放置すると癖になる」ことです。なぜ繰り返すのか、その理由を知っておきましょう。
靭帯は、関節がぐらつかないよう支える、いわば関節の「固定バンド」です。捻挫でこの靭帯が伸びたり切れたりしたまま、しっかり回復させずに動いてしまうと、靭帯が緩んだ状態で固まり、関節を支える力が落ちます。これを「関節の不安定症」と言います。支えが弱くなった関節は、ちょっとした動きでまたひねりやすくなり、捻挫を繰り返す悪循環に入ります。さらに、不安定なまま使い続けると、軟骨が傷んだり、関節の動きが悪くなったりと、後々の不調につながることもあります。だからこそ、最初の捻挫を、固定と安静でしっかり回復させることが何より大切なのです。
柔道整復師による捻挫のケア
捻挫・打撲・突き指(指の捻挫)の応急処置は、柔道整復師(国家資格)が専門とする領域です。CUREPROでは、受傷直後の固定や、回復に向けたケアについてご相談いただけます。
大切なのは、捻挫の状態に合わせて、適切な固定と、動かし始める時期を見極めることです。早く動かしすぎれば靭帯が緩み、固定が長すぎれば関節が硬くなります。このさじ加減が、回復の速さと、癖になるかどうかを左右します。CUREPROでは、痛みや腫れが落ち着いたあと、関節の動きや筋力を取り戻し、再び捻挫しにくい体づくりまでをお手伝いします。足首や足の使い方、全身のバランスまで見て整えるのが、私たちの考え方です。足首矯正で身体の土台を整える方法もご覧ください。
なお、骨折が疑われるサインがあるとき、強い痛みや変形があるときは、まず整形外科でレントゲン検査を受けてからご相談いただくのが安全です。
捻挫の予防
捻挫は、日頃の準備で起こりにくくできます。とくに繰り返しやすい方は、次の予防を心がけてください。
| 予防のポイント | 理由 |
|---|---|
| 運動前にウォームアップ・ストレッチをする | 関節や筋肉をほぐし、ひねりに備える |
| 足首の柔軟性と筋力を保つ | 硬い・弱い足首はひねりやすい |
| 繰り返す部位はテーピング・サポーターで保護 | 関節の安定性を補う |
| 足に合った靴を選ぶ | 不安定な靴は捻挫のもとになる |
捻挫のときのNG行動
| 避けたいこと | 理由 |
|---|---|
| 受傷直後に患部を温める・もむ・お酒を飲む | 炎症や腫れ・内出血を強める |
| 「歩けるから」と放置する | 骨折を見逃し、癖になる原因に |
| 突き指を引っ張る | 骨折・腱損傷があると悪化する |
| 固定期間を守らず早く動かす | 靭帯が緩んだまま固まる |
| 圧迫を強くしすぎる | 血流を妨げる。しびれ・変色は外す |
捻挫についてよくある質問
Q1. 捻挫は冷やすべきですか、温めるべきですか?
受傷直後は冷やしてください。炎症のピークは受傷後24〜72時間なので、この時期は氷や保冷剤で15〜20分を目安に冷却します。温めるのは、痛みや腫れが落ち着いた数日後からです。急性期に温めると、炎症や腫れが強まるため避けてください。
Q2. 歩けるけど痛い捻挫は放っておいて大丈夫ですか?
歩けても、骨折が隠れていたり、靭帯が傷んでいたりすることがあります。骨折があっても歩けることはあります。腫れや痛みがある、押すと骨の上が痛む、片足立ちができない場合は、放置せず整形外科を受診してください。放置は癖になる原因にもなります。
Q3. 捻挫はどのくらいで回復しますか?
重症度によります。軽い捻挫(Ⅰ度)は1〜2週間ほど、中等症(Ⅱ度)は数週間、重症(Ⅲ度)は数週間以上かかることもあります。これはめやすで、適切な固定と安静ができているかで変わります。焦って動かすと長引くため、回復の段階は専門家に相談しましょう。
Q4. 突き指は引っ張ってもいいですか?
引っ張らないでください。突き指は指の捻挫で、骨折や腱の損傷を伴うことがあります。引っ張ると悪化するおそれがあります。隣の指に添えて固定し、冷やして、整形外科や接骨院を受診してください。「引っ張れば治る」は誤った俗説です。
Q5. 捻挫が癖になってしまいました。どうすればいいですか?
繰り返す捻挫は、過去の捻挫で靭帯が緩み、関節を支える力が落ちている(関節の不安定症)ことが多いです。足首の柔軟性と筋力を取り戻し、必要に応じてテーピングで保護し、足や全身のバランスを整えることが、繰り返しの予防につながります。一度、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
捻挫は、関節を支える靭帯などが損傷したケガです。受傷したら、まず安静・冷却・圧迫・挙上のRICE処置を、できるだけ早く始めることが回復を早める第一歩です。炎症のピークは受傷後24〜72時間なので、この時期は冷却と安静を徹底してください。最新のPOLICE処置では適度に動かす考え方も加わりますが、動かし始める時期は重症度によるため、自己判断せず専門家に相談しましょう。
重要なのは、軽く見えても必要な固定・安静の期間を守ること、そして骨折を見逃さないことです。骨の上を押すと痛む、体重をかけられない、変形しているといったサインがあれば、まず整形外科でレントゲン検査を受けてください。捻挫を中途半端なまま放置すると、靭帯が緩んで関節が不安定になり、捻挫を繰り返す癖がついてしまいます。だからこそ、最初の対処と、その後のしっかりした回復が大切です。捻挫・打撲・突き指の応急処置と、繰り返さない体づくりは、柔道整復師の専門領域です。捻挫のことでお悩みなら、CUREPROにお気軽にご相談ください。整体に初めて行く方へも参考になります。
足首・ケガのケアで知りたい方へ
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)・株式会社May-Plus代表
2011年に整体院を開業、2013年に株式会社May-Plusを設立。CUREPROブランドで首都圏(埼玉・東京・千葉)に10店舗を展開する代表経営者。日本大学法学部卒業後、中央医療学園専門学校で柔道整復師資格を取得。「保険診療に依存しない構造改善型整体モデル」を推進。