腕の骨の名前と構造|上腕骨・橈骨・尺骨の役割と痛みの見極め
▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)/CUREPROグループ代表
中央医療学園専門学校(現:日本総合医療専門学校)卒業。整形外科クリニック・大手整骨院グループ等での勤務経験を経て、2011年創業。施術歴20年、延べ5万人以上の施術実績。骨盤矯正と下半身の構造改善を得意とする。
腕の骨と言われて、いくつ名前が浮かぶでしょうか。二の腕の上腕骨、前腕の橈骨と尺骨。実は片腕だけで30個もの骨が連携し、肩から指先までの繊細で力強い動きを生み出しています。腕の骨の名前と構造を知っておくと、肘や手首の痛みがどこから来ているのか、見当をつけやすくなります。
「肘が痛い」「手首をひねると痛む」「転んで手をついてから腫れている」といったとき、どの骨やどの関節が関わっているかが分かると、自分でケアできるものか、受診すべきものかの判断もしやすくなります。この記事では、腕の骨の名前と構造、上腕骨・橈骨・尺骨それぞれの役割、肘や手首の動きの仕組み、そして骨折やテニス肘など痛みとの関わりと受診の見極めまでを、首都圏10店舗のCUREPRO(キュアプロ)で施術にあたる柔道整復師の視点からお伝えします。腕の筋肉が気になる方は二の腕の痛みの原因と対処法もあわせてご覧ください。
腕の骨は全部でいくつ?名前と全体像

腕を構成する主要な骨は、大きく分けて4つのグループに分かれます。肩から肘、肘から手首、そして手の部分です。
| 部位 | 骨の名前 | 場所 |
|---|---|---|
| 二の腕(上腕) | 上腕骨(じょうわんこつ) | 肩から肘までの1本の太い骨 |
| 前腕(肘〜手首) | 橈骨(とうこつ) | 前腕の親指側 |
| 前腕(肘〜手首) | 尺骨(しゃっこつ) | 前腕の小指側 |
| 手 | 手根骨・中手骨・指節骨(計27個) | 手首から指先まで |
片腕の骨を数えると、上腕骨1個、橈骨1個、尺骨1個、手の骨27個で、合計30個になります。さらに、腕を体幹につなぐ鎖骨と肩甲骨を加えると32個。両腕では64個もの骨が、私たちの腕の動きを支えています。これだけ多くの骨が連携することで、力強い動作から、ボタンを留めるような繊細な動きまでが可能になっています。
上腕骨(じょうわんこつ)の構造と役割

上腕骨は、二の腕の中心を貫く、肩から肘までの1本の太い骨です。腕の中でもっとも太く長い骨で、成人で約30〜35cmあります。腕全体の動きの「土台」となる骨です。
上端には肩関節をつくるボール状の上腕骨頭があり、肩の回旋や腕を上げる動きの起点になります。真ん中の骨幹部には、上腕二頭筋(力こぶ)や上腕三頭筋(二の腕の後ろ)などの主要な筋肉が付着し、腕の力強い動作を支えます。下端は肘関節をつくる複雑な形をしていて、橈骨・尺骨と連結します。この下端の出っぱり(内側上顆・外側上顆)は、テニス肘やゴルフ肘が起こる場所として知られています。肩の動きが気になる方は肩甲骨の役割と動きもご参考に。
橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)の構造と役割

肘から手首までの前腕には、2本の骨が並んでいます。親指側が橈骨、小指側が尺骨です。この2本があることで、前腕をひねる動き(回内・回外)が可能になります。
| 骨 | 位置 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 橈骨(とうこつ) | 前腕の親指側 | 前腕をひねる動きの中心・手首を支える |
| 尺骨(しゃっこつ) | 前腕の小指側 | 肘関節の主役・ひねる動きの軸になる |
「橈(とう)」という字は「しなる・曲がる」を意味し、その名のとおり、橈骨は前腕を回す動きの中心です。手のひらを下に向ける(回内)、上に向ける(回外)とき、橈骨が尺骨の周りを回るように動きます。一方の尺骨は、肘の後ろに突き出た肘頭(ちゅうとう)、つまりテーブルに肘をつくと感じるあの突起をつくり、肘の安定を担います。ひねる動きでは、尺骨が軸となり、その周りを橈骨が回るという、絶妙な連携をしています。手のひらを上に向ける動きは上腕二頭筋とは|場所と役割もご参考に。
手の骨の構造

手首から指先までは、計27個もの小さな骨で構成されています。これだけ多くの骨がコンパクトにまとまっているからこそ、繊細で多様な動きが可能になります。
| 骨 | 数 | 場所 |
|---|---|---|
| 手根骨(しゅこんこつ) | 8個 | 手首の部分 |
| 中手骨(ちゅうしゅこつ) | 5個 | 手のひらの部分 |
| 指節骨(しせつこつ) | 14個 | 指の部分 |
手首にある8個の手根骨は、舟状骨や月状骨など小さな骨が集まって手首の関節をつくります。手のひらを支えるのが5個の中手骨、指をつくるのが14個の指節骨です。転んで手をついたときに痛める舟状骨骨折は、レントゲンに写りにくく見逃されやすいことで知られています。手首の痛みが気になる方は手首のケア記事もご参考に。
腕の骨と痛み・ケガの関わり

腕の骨やその周辺は、日常やスポーツでさまざまな痛み・ケガが起こります。代表的なものを整理します。
| 部位・骨 | 起こりやすい痛み・ケガ |
|---|---|
| 橈骨(手首付近) | 橈骨遠位端骨折(転倒で手をついて起こる) |
| 上腕骨の外側上顆 | テニス肘(外側上顆炎) |
| 上腕骨の内側上顆 | ゴルフ肘(内側上顆炎) |
| 手根骨(舟状骨) | 舟状骨骨折(見逃されやすい) |
| 尺骨神経(肘の内側) | 肘部管症候群(小指のしびれ) |
腕の痛みの多くは、骨そのものより、骨に付着する筋肉や腱、骨の近くを通る神経のトラブルです。たとえばテニス肘・ゴルフ肘は、上腕骨の出っぱりに付く前腕の筋肉の使いすぎによる炎症です。一方、転倒後の強い痛みや腫れ、変形がある場合は、骨折を疑う必要があります。骨の名前と構造を知っておくと、痛む場所からどんなトラブルかの見当がつきやすくなります。二の腕の痛みは二の腕の痛みの原因と対処法もご参考に。
こんなときは医療機関へ

| こんなサインがあるとき | 考えられること・対応 |
|---|---|
| 転倒・打撲のあとの強い痛み・腫れ・変形 | 骨折・脱臼。整形外科へ |
| 手をついたあと手首が腫れて動かせない | 橈骨遠位端骨折・舟状骨骨折。整形外科へ |
| 手や指にしびれが広がる | 神経の圧迫。整形外科へ |
| 腕に力が入らない・物を落とす | 神経や腱の障害。整形外科へ |
| 2週間以上ケアしても痛みが続く・悪化する | 専門評価が必要。整形外科へ |
これらに当てはまるときは、まず整形外科などの医療機関を受診してください。とくに、転んで手をついたあとの手首の痛みは、橈骨遠位端骨折や舟状骨骨折のことがあります。舟状骨骨折は初期にレントゲンに写りにくく、見逃すと骨がつきにくくなるため、痛みが続くときは再検査が必要です。骨や神経のトラブルが除かれたあと、筋肉や関節の動き、姿勢を整える部分で、整体がお手伝いできます。
腕の骨を守るために日常で気をつけたいこと

腕の骨やその周辺の健康を保つために、日常でできる工夫があります。
| 心がけたいこと | 理由 |
|---|---|
| 同じ動作の繰り返しを避ける・休憩を入れる | テニス肘などの使いすぎを防ぐ |
| 前腕や手首をやさしくストレッチする | 筋肉の柔軟性を保ち、負担を減らす |
| 転倒予防(足元・靴・バランス)に気を配る | 手をついての骨折を防ぐ |
| カルシウムやビタミンDを意識してとる | 骨の健康を保つ(とくに中高年) |
| 肩や肩甲骨も動かす | 腕全体の動きをスムーズに保つ |
腕の骨についてよくある質問

Q1. 腕の骨は全部でいくつありますか?
片腕で、上腕骨1個・橈骨1個・尺骨1個・手の骨27個の合計30個です。腕を体幹につなぐ鎖骨と肩甲骨を加えると32個、両腕では64個になります。多くの骨が連携して、力強い動きと繊細な動きの両方を生み出しています。
Q2. 橈骨と尺骨の違いは何ですか?
どちらも前腕の骨ですが、橈骨は親指側、尺骨は小指側にあります。橈骨は前腕をひねる動きの中心で手首を支え、尺骨は肘関節の主役でひねる動きの軸になります。手のひらを返す動作は、尺骨を軸に橈骨が回ることで可能になります。
Q3. 二の腕の骨の名前は何ですか?
上腕骨(じょうわんこつ)です。肩から肘までを貫く1本の太い骨で、腕の中でもっとも太く長い骨です。力こぶの上腕二頭筋や、二の腕の後ろの上腕三頭筋などが付着し、腕の力強い動作を支えています。
Q4. 転んで手をついたら手首が痛みます。骨折でしょうか?
転倒して手をついたあとの手首の痛み・腫れは、橈骨遠位端骨折や舟状骨骨折のことがあります。とくに高齢の方や、親指の付け根が痛む場合は注意が必要です。自己判断せず、整形外科でレントゲンを受けてください。舟状骨骨折は写りにくいため、痛みが続けば再検査を。
Q5. 肘の外側・内側が痛いのは骨の問題ですか?
肘の外側の痛みはテニス肘(外側上顆炎)、内側の痛みはゴルフ肘(内側上顆炎)のことが多く、これは上腕骨の出っぱりに付く前腕の筋肉の使いすぎによる炎症です。骨そのものより、筋肉や腱のトラブルが背景です。安静とストレッチが助けになりますが、続く場合は受診を検討してください。
まとめ

腕の骨は、二の腕の上腕骨、前腕の橈骨(親指側)と尺骨(小指側)、そして手の27個の骨からなり、片腕で合計30個、鎖骨と肩甲骨を加えると32個になります。上腕骨は腕の動きの土台で力こぶなどの筋肉が付着し、橈骨は前腕をひねる動きの中心、尺骨は肘の主役でひねる動きの軸を担います。この3本の連携が、力強い動作から繊細な動きまでを可能にしています。
腕の痛みの多くは、骨そのものより、骨に付く筋肉や腱、近くを通る神経のトラブルです。テニス肘やゴルフ肘は上腕骨の出っぱりに付く筋肉の炎症、手首の痛みは橈骨や舟状骨の問題のことがあります。ただし、転倒後の強い痛みや腫れ・変形、しびれ、力が入らないといった場合は、骨折や神経の障害のことがあるため、まず整形外科を受診してください。骨や神経の問題が除かれたあと、筋肉や関節、姿勢を整える部分で整体が力になれます。腕や肩のことでお悩みなら、CUREPROにお気軽にご相談ください。整体に初めて行く方へも参考になります。
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▼この記事の監修者
阿部純治(あべ じゅんじ)
柔道整復師(国家資格)・株式会社May-Plus代表
2011年に整体院を開業、2013年に株式会社May-Plusを設立。CUREPROブランドで首都圏(埼玉・東京・千葉)に10店舗を展開する代表経営者。日本大学法学部卒業後、中央医療学園専門学校で柔道整復師資格を取得。「保険診療に依存しない構造改善型整体モデル」を推進。