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コラム
過眠症の症状とは?
原因・種類・チェック方法から治し方まで解説
目次
「寝ても寝ても眠い」「どれだけ寝ても疲れがとれない」といった症状に悩んでいませんか。十分な睡眠時間をとっているはずなのに日中強い眠気に襲われる場合、「過眠症」という睡眠障害の可能性があります。
本記事では、過眠症とはどのような病気なのか、主な症状や原因、種類について詳しく解説します。セルフチェックの方法や治し方、受診の目安についても紹介するので、睡眠に関する悩みを抱えている方は参考にしてください。
過眠症(かみんしょう)とは、夜間に十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ、日常生活に支障をきたす睡眠障害です。単に睡眠時間が長いだけでなく、起きていることが困難になるほどの眠気が特徴となります。
過眠症は、必要以上に長い睡眠をとっても眠気がとれない、または日中に強い眠気や居眠りが繰り返し起こる状態を指します。医学的には、1日の総睡眠時間が10時間以上であったり、日中に抗いがたい眠気が生じて社会生活に支障をきたしたりする場合に、過眠症が疑われます。
一般的に成人の適正な睡眠時間は6〜8時間とされていますが、過眠症の方は10時間以上眠っても眠気がとれないことが多くあります。単なるロングスリーパー(長時間睡眠者)との違いは、十分な睡眠をとっても日中の眠気が改善されない点にあります。
睡眠障害には「眠れない」不眠症と「眠りすぎる」過眠症があり、正反対の症状に見えますが、どちらも日中の生活に支障をきたすという点では共通しています。
不眠症は、寝つきが悪い(入眠障害)、夜中に目が覚める(中途覚醒)、早朝に目が覚める(早朝覚醒)、眠りが浅い(熟眠障害)といった症状が特徴です。一方、過眠症は、十分な睡眠をとっているのに日中に強い眠気が生じる点が特徴となります。
興味深いことに、過眠症と不眠症を繰り返すケースもあります。季節や体調、精神状態によって睡眠パターンが変動することがあり、うつ病などの精神疾患に伴って過眠と不眠が交互に現れることもあります。

過眠症の症状は、単に眠いというだけではなく、日常生活に大きな影響を与えます。主な症状と特徴について詳しく見ていきましょう。
過眠症のもっとも代表的な症状は、日中に強い眠気が生じることです。会議中や授業中、車の運転中など、眠ってはいけない場面でも抗いがたい眠気に襲われ、本人の意思に関係なく居眠りをしてしまうことがあります。
この眠気は、前夜に十分な睡眠をとっていても改善されません。昼食後に眠くなる程度の眠気とは異なり、意識が遠のくような強烈な眠気が特徴です。
過眠症の方は、夜間の睡眠時間が10時間以上になることも珍しくありません。また、朝起きることが非常に困難で、目覚まし時計が鳴っても起きられない、家族に何度起こされても起きられないといった症状が見られます。
無理やり起こされても頭がぼんやりとした状態(睡眠酩酊)が続き、すっきり目覚めることができません。起床後もしばらくの間、判断力や反応速度が低下した状態が続くことがあります。
日中の眠気によって、集中力や記憶力が低下します。仕事や勉強のパフォーマンスが落ち、ミスが増えることもあります。頭がぼんやりとして物事を考えることが難しくなり、判断力も鈍くなります。
本人は十分に努力しているつもりでも、周囲からは「やる気がない」「怠けている」と誤解されやすく、精神的なストレスを抱えることにもつながります。
過眠症の種類によっては、眠気以外の症状を伴うこともあります。ナルコレプシーでは、強い感情が引き金となって突然筋肉の力が抜ける「カタプレキシー(情動脱力発作)」が起こることがあります。また、入眠時や起床時に金縛りのような症状(睡眠麻痺)や、現実と区別がつきにくい鮮明な夢(入眠時幻覚)が生じることもあります。

過眠症は、原因によっていくつかの種類に分類されます。それぞれの特徴と原因について解説します。
ナルコレプシーは、過眠症の中でもっとも知られている疾患です。日中に突然強い眠気に襲われ、数分から数十分の短い睡眠(睡眠発作)が起こります。脳内の覚醒を維持する神経伝達物質「オレキシン」が不足することが原因とされています。
10代〜20代で発症することが多く、日本人の有病率は約0.16%(600人に1人程度)と報告されています。笑ったり驚いたりしたときに力が抜けるカタプレキシーを伴うタイプ(1型)と、伴わないタイプ(2型)があります。
特発性過眠症は、ナルコレプシーのような睡眠発作やカタプレキシーがないものの、日中に強い眠気が生じる疾患です。夜間の睡眠時間が長く(10時間以上)、朝起きることが非常に困難で、起床後も長時間にわたって頭がぼんやりする睡眠酩酊が見られます。
原因は明らかになっておらず、「特発性」(原因不明)という名称がついています。脳の覚醒システムの機能異常が関係していると考えられていますが、詳細なメカニズムは解明されていません。
反復性過眠症は、過眠のエピソードが周期的に繰り返される稀な疾患です。過眠期には1日16〜20時間以上眠り続け、食事やトイレのとき以外はほとんど起きていられません。過眠期は数日から数週間続き、その後は症状が消失して通常の生活に戻ります。
10代の男性に多く発症し、過眠期には過食や異常行動、認知機能の低下などを伴うことがあります。原因は不明ですが、視床下部の機能異常が関係していると考えられています。
二次性過眠症は、他の疾患や要因によって引き起こされる過眠症です。原因となる疾患としては、うつ病などの精神疾患、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺機能低下症、脳腫瘍、脳炎後遺症などが挙げられます。
また、薬の副作用(抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、抗不安薬など)や、アルコール、薬物の影響で過眠が生じることもあります。この場合、原因となる疾患の治療や、薬の変更によって症状が改善することがあります。
ストレスは過眠症の原因となることがあります。強いストレスを受けると、脳が疲労から回復するために多くの睡眠を必要とするためです。また、ストレスが引き金となってうつ病を発症し、その症状として過眠が現れるケースもあります。
ストレス性の過眠は、原因となるストレスが解消されれば改善することが多いですが、慢性的に続く場合は専門的な治療が必要となることもあります。

「自分は過眠症かもしれない」と感じたら、以下のポイントをチェックしてみましょう。ただし、セルフチェックはあくまで目安であり、正確な診断には医療機関の受診が必要です。
次のような症状が続いている場合、過眠症の可能性があります。
夜間に十分な睡眠をとっているのに(7時間以上)、日中に強い眠気がある。
大事な場面(会議、運転中など)でも居眠りをしてしまう。
朝起きるのが非常に困難で、起こされても起きられない。
起床後もしばらくの間、頭がぼんやりして行動が鈍い。
睡眠時間が10時間以上あっても眠気がとれない。眠気のせいで仕事や学業、日常生活に支障が出ている。
これらの症状が1か月以上続いている場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
医療機関では、日中の眠気の程度を評価するために「エプワース眠気尺度(ESS)」という質問票が使用されることがあります。日常生活の8つの場面(座って読書しているとき、テレビを見ているときなど)で、どの程度眠くなるかを0〜3点で評価し、合計点数によって眠気の程度を判定します。
合計点数が11点以上の場合は、病的な眠気がある可能性が示唆されます。

過眠症の治療は、原因や種類によって異なります。自分でできる対策と医療機関での治療について解説します。
過眠症の症状を軽減するために、まずは生活習慣の改善に取り組むことが大切です。
規則正しい睡眠リズムを維持し、毎日同じ時間に起床・就寝するよう心がけましょう。週末の寝だめは体内時計を乱すため避けた方がよいでしょう。日中に適度な運動を取り入れることで、夜間の睡眠の質を高めることができます。カフェインやアルコールは睡眠に影響するため、摂取量やタイミングに注意が必要です。日中どうしても眠いときは、15〜20分程度の短い仮眠をとることで眠気が軽減することがあります。
生活習慣の改善だけでは症状が改善しない場合、医療機関での治療が必要となります。過眠症の診断には、問診、睡眠日誌の記録、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)、反復睡眠潜時検査(MSLT)などが行われます。
ナルコレプシーや特発性過眠症の治療には、覚醒を促す薬物(モダフィニル、メチルフェニデートなど)が使用されます。カタプレキシーを伴う場合は、抗うつ薬が処方されることもあります。
二次性過眠症の場合は、原因となる疾患の治療が優先されます。睡眠時無呼吸症候群であればCPAP療法、うつ病であれば抗うつ薬や心理療法など、原因に応じた治療が行われます。
日中の眠気が1か月以上続き、日常生活に支障が出ている場合は、医療機関を受診しましょう。過眠症の診療は、睡眠外来、神経内科、精神科、心療内科などで受けることができます。
近くに睡眠外来がない場合は、まずはかかりつけ医に相談し、専門医を紹介してもらう方法もあります。
過眠症は、十分な睡眠をとっても日中に強い眠気が生じ、日常生活に支障をきたす睡眠障害です。ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症など、いくつかの種類があり、原因や治療法はそれぞれ異なります。
主な症状としては、日中の強い眠気、長時間睡眠、起床困難、集中力の低下などが挙げられます。ストレスや他の疾患が原因となる二次性過眠症もあるため、原因を特定することが適切な治療につながります。
「寝ても寝ても眠い」という症状が続き、生活に支障が出ている場合は、睡眠外来や神経内科などの専門医に相談することをおすすめします。過眠症は適切な治療によって症状をコントロールできる病気です。一人で悩まず、早めに専門家に相談しましょう。