CUREPRO CUREPRO キュアプロ

人生のパフォーマンスを上げる整体

ご予約お問い合わせ

コラム

健康とは何か?
WHOの定義から考える身体的・精神的・社会的な健康の意味

健康とは何か?WHOの定義から考える身体的・精神的・社会的な健康の意味

「健康」という言葉は日常的によく使われますが、「健康とは何か」と改めて問われると、明確に答えるのは意外と難しいものです。単に病気でないことが健康なのでしょうか。

本記事では、WHO(世界保健機関)が定めた健康の定義を中心に、健康の意味や概念について詳しく解説します。身体的健康、精神的健康、社会的健康という3つの側面から、現代における健康の考え方を理解していきましょう。

WHOによる健康の定義とは

健康の定義として、もっとも広く知られているのがWHO(世界保健機関)憲章に記された定義です。1948年に発効したこの定義は、現在も健康を考える上での基本となっています。

WHO憲章における健康の定義(原文と日本語訳)

WHO憲章では、健康を次のように定義しています。

原文(英語):Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

日本語訳:健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう。

この定義のポイントは、健康を「病気でない状態」という消極的な意味ではなく、「身体的・精神的・社会的に良好な状態」という積極的な意味で捉えている点にあります。

健康の3つの側面(身体的・精神的・社会的)

WHOの定義によると、健康には3つの側面があります。

身体的健康(Physical well-being)とは、体に病気やケガがなく、身体機能が正常に働いている状態を指します。血圧や血糖値などの検査値が正常範囲内であること、日常生活に支障なく体を動かせることなどが含まれます。

精神的健康(Mental well-being)とは、心の状態が安定しており、ストレスに適切に対処でき、前向きに日々を送れる状態を指します。うつ病や不安障害などの精神疾患がないことだけでなく、自分らしく生き生きと生活できる心の状態も含まれます。

社会的健康(Social well-being)とは、家族、友人、職場、地域社会などにおいて、良好な人間関係を築き、社会の中で自分の役割を果たせる状態を指します。孤立していないこと、社会とつながりを持っていることが重要な要素となります。

「ウェルビーイング」という概念

WHOの定義に登場する「well-being(ウェルビーイング)」は、日本語では「良好な状態」「幸福」「福祉」などと訳されます。単なる健康(health)よりも広い概念で、心身の健康に加えて、生活の質や幸福感、社会的なつながりまで含めた「よく生きている状態」を意味します。

近年、ウェルビーイングは企業の健康経営や社会政策においても重要なキーワードとなっており、健康を考える上で欠かせない概念となっています。

WHOの健康定義に対する議論と問題点

WHOの健康定義は広く受け入れられていますが、いくつかの問題点も指摘されています。

「完全な状態」という理想と現実のギャップ

WHOの定義では、健康を「完全に(complete)満たされた状態」としています。しかし、身体的・精神的・社会的にすべてが完璧に満たされた状態を維持し続けることは、現実には非常に困難です。

この定義に従えば、ほとんどの人が「健康ではない」ということになってしまいます。慢性疾患を抱えながらも充実した生活を送っている人、障がいがあっても社会で活躍している人は、健康ではないのでしょうか。

スピリチュアル(霊的)な健康の追加提案

1998年のWHO執行理事会では、健康の定義に「spiritual(スピリチュアル、霊的)」という側面を追加する提案がなされました。人間の尊厳、生きる意味、信仰や価値観といった精神性も健康に含まれるべきではないかという考えです。

この提案はWHO総会で審議されましたが、最終的な採択には至っていません。しかし、健康を考える上で、スピリチュアルな側面への関心は高まっています。

健康の定義に対するさまざまな考え方

WHOの定義以外にも、健康についてはさまざまな考え方があります。

日本の広辞苑では、健康を「体に悪いところがなく、心身がすこやかなこと」と定義しています。辞書的な定義としてはシンプルですが、WHOの定義と比べると社会的な側面への言及がありません。

厚生労働省は、健康日本21などの施策において、健康を「生活の質(QOL)の向上」という観点から捉えています。病気の予防だけでなく、一人ひとりが生き生きと暮らせる社会の実現を目指す考え方です。

健康の3つの側面を詳しく理解する

健康の3つの側面(身体的・精神的・社会的)について、より詳しく見ていきましょう。

身体的健康とは何か

身体的健康とは、体の各器官や機能が正常に働き、病気やケガがない状態を指します。具体的には以下のような要素が含まれます。

臓器や器官が正常に機能している。感染症や生活習慣病などの疾患がない。日常生活に必要な体力や筋力がある。睡眠、食事、運動などの生活習慣が整っている。定期的な健康診断で異常が見つからない。

身体的健康を維持するためには、バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙、適度な飲酒など、生活習慣の改善が重要となります。

精神的健康とは何か

精神的健康とは、心の状態が安定しており、自分らしく生活できる状態を指します。WHOは精神的健康について、「自分の能力を発揮し、日常のストレスに対処でき、生産的に働くことができ、地域社会に貢献できる良好な状態」と説明しています。

精神的健康の要素としては、以下のようなものが挙げられます。

感情が安定しており、過度な不安や落ち込みがない。ストレスに適切に対処できる。自分自身を肯定的に捉えられる。目標や生きがいを持っている。他者と良好な関係を築ける。

うつ病や不安障害などの精神疾患がないことだけでなく、心理的な充実感や幸福感を感じられることも、精神的健康の重要な要素となります。

社会的健康とは何か

社会的健康とは、家族、友人、職場、地域社会などにおいて、良好な人間関係を築き、社会の一員として役割を果たせる状態を指します。人は社会的な生き物であり、他者とのつながりは健康に大きな影響を与えます。

社会的健康の要素としては、以下のようなものが挙げられます。

家族や友人との良好な関係がある。職場や地域社会に居場所がある。孤独感や孤立感を感じていない。社会的な活動に参加できている。困ったときに頼れる人がいる。

近年、社会的孤立や孤独が健康に悪影響を与えることが研究で明らかになっています。喫煙や肥満と同程度、あるいはそれ以上に、孤独は死亡リスクを高めるという報告もあります。

現代社会における健康の考え方

健康に対する考え方は、時代とともに変化してきました。現代社会における健康の捉え方について解説します。

「力」や「資源」としての健康

従来の健康の考え方は、病気の有無に焦点を当てた「病気がない=健康」というものでした。しかし、現代では健康を「生きるための力」「人生を豊かにするための資源」として捉える考え方が広まっています。

1986年のオタワ憲章(健康づくりのためのオタワ憲章)では、健康を「日々の生活のための資源」と位置づけ、健康は生きる目的ではなく、毎日の生活を送るための手段であるという考え方が示されました。

健康生成論(サルートジェネシス)の視点

イスラエルの医療社会学者アーロン・アントノフスキーは、「なぜ人は病気になるのか」ではなく「なぜ人は健康でいられるのか」という視点から健康を研究しました。この考え方は「健康生成論(サルートジェネシス)」と呼ばれています。

健康生成論では、ストレスや困難な状況に直面しても健康を維持できる力として「首尾一貫感覚(SOC:Sense of Coherence)」という概念が提唱されています。人生には意味がある、困難は乗り越えられる、物事は理解できるという感覚を持つことが、健康の維持に重要だとされています。

健康を自分で決める時代へ

かつて健康に関する意思決定は、医療者が主導して行うことが一般的でした。しかし現代では、健康に関する情報を自ら収集し、自分で意思決定を行うことが重要視されています。

この「健康を自分で決める力」は「ヘルスリテラシー」と呼ばれ、健康情報を入手し、理解し、評価し、活用する能力を指します。インターネット上には膨大な健康情報があふれていますが、その中から信頼できる情報を選び、自分の健康に活かしていく力が求められています。

まとめ

健康とは、WHOの定義によれば「身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態」を指し、単に病気でないことではありません。身体的健康、精神的健康、社会的健康という3つの側面から、総合的に捉える必要があります。

WHOの定義に対しては、「完全な状態」という理想と現実のギャップなど、いくつかの問題点も指摘されています。しかし、健康を多面的に捉えるという考え方は、現代社会においても重要な視点として受け継がれています。

現代では、健康を「病気がない状態」ではなく「生きるための力・資源」として捉える考え方が広まっています。また、健康に関する意思決定を自分自身で行う「ヘルスリテラシー」の重要性も高まっています。

健康とは何かを考えることは、自分自身の生き方や幸福について考えることにもつながります。身体面だけでなく、心の健康や社会とのつながりにも目を向けながら、自分なりの健康を追求していくことが大切です。

 

お悩み別症例一覧