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コラム
健康の定義とは?
WHOが定める3つの側面と健康維持の三要素を解説
目次
「健康」という言葉は日常的に使われていますが、具体的に何を指すのか考えたことはあるでしょうか。WHO(世界保健機関)は、健康を単に病気がない状態ではなく、身体的・精神的・社会的に良好な状態と定義しています。
本記事では、WHOによる健康の定義と3つの側面、健康を維持するために必要な三要素について詳しく解説します。真の健康とは何かを理解し、日々の生活に活かしていきましょう。
健康の概念を理解するうえで、もっとも広く知られているのがWHO(世界保健機関)による定義です。1948年に発効したWHO憲章において、健康は以下のように定義されています。
「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう」
原文では「Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity」と記されています。
この定義が画期的だったのは、健康を「病気がない状態」という消極的な捉え方から、「すべてが満たされた状態(well-being)」という積極的な概念へと転換した点にあります。
WHOの健康の定義は世界的に広く採用されていますが、一方で議論もあります。「完全に(complete)」満たされた状態というのは理想的すぎるのではないか、現実的に達成可能なのかという指摘です。
また、1998年のWHO執行理事会では、健康の定義に「spiritual(霊的)」や「dynamic(動的)」という言葉を加える提案がなされました。スピリチュアルな側面は、人生の意味や目的、生きがいといった概念に関わるものです。
この改正案は総会で採択には至りませんでしたが、健康という概念が時代とともに拡張されてきていることを示しています。
日本の厚生労働省も、WHOの定義を踏まえつつ、国民の健康づくりを推進しています。「健康日本21」などの施策では、単に病気を予防するだけでなく、生活の質(QOL)を高め、健康寿命を延ばすことを目標としています。
厚生労働省は「休養・こころの健康」に関する資料の中で、健康を身体的・精神的・社会的な側面から総合的に捉え、すべての面でバランスが取れた状態を目指すことの重要性を示しています。
WHOの定義にもとづき、健康は「身体的健康」「精神的健康」「社会的健康」の3つの側面から構成されると考えられています。それぞれの側面について詳しく見ていきましょう。
身体的健康とは、身体の各器官や機能が正常に働き、病気やけがのない状態を指します。もっともイメージしやすい健康の側面といえるでしょう。
具体的には、適切な体重を維持していること、血圧や血糖値などの数値が正常範囲にあること、十分な体力があること、日常生活動作を問題なく行えることなどが身体的健康の指標となります。
身体的健康を維持するためには、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、定期的な健康診断の受診などが重要です。病気の予防だけでなく、体力の維持・向上にも意識を向けることが大切です。
精神的健康(メンタルヘルス)とは、心の状態が安定し、日常生活を送るうえでの心理的な機能が良好な状態を指します。ストレスに適切に対処でき、感情のコントロールができ、前向きな気持ちで生活できる状態といえます。
WHOは精神的健康を「自身の能力を発揮し、日常生活におけるストレスに対処でき、生産的に働くことができ、コミュニティに貢献できる良好な状態」と説明しています。
精神的に健康な状態とは、まったくストレスがないことではありません。適度なストレスを受けながらも、うまく対処し、回復できる力を持っていることが重要です。うつ病や不安障害などの精神疾患がないことはもちろん、自己肯定感があり、生きがいを感じられることも精神的健康の要素となります。
社会的健康とは、良好な人間関係を築き、社会の中で自分の役割を果たせる状態を指します。身体的・精神的健康と比べると分かりにくいかもしれませんが、人間が社会的な存在である以上、非常に重要な側面です。
社会的健康が保たれている状態とは、家族や友人、職場の同僚などとの人間関係が良好であること、地域社会や組織の一員として活動に参加できること、孤立せずに誰かとつながりを持てていることなどが挙げられます。
社会的なつながりが希薄になると、孤独感や疎外感を感じやすくなり、精神的健康にも悪影響を及ぼします。高齢者の社会参加が認知症予防に効果があるとされるのも、社会的健康が他の側面と密接に関係しているためです。
身体的健康、精神的健康、社会的健康の3つは、それぞれ独立しているのではなく、互いに影響し合っています。真の健康を実現するためには、3つの側面をバランスよく整えることが重要です。
たとえば、身体的な病気を抱えると、不安やストレスから精神的健康が損なわれることがあります。また、精神的に不調になると、外出が減って社会的なつながりが薄れたり、食欲が低下して身体的健康にも影響が出たりします。
反対に、社会的なつながりが豊かで、生きがいを感じられる生活を送っていると、精神的な安定が得られ、身体的な健康にも良い影響をもたらすことがわかっています。
医療の分野では「全人的医療」という考え方が広がっています。患者を身体の一部の疾患としてではなく、身体・心・社会的背景を含めた「全体的な存在」として捉え、治療やケアを行うアプローチです。
全人的な健康とは、身体・精神・社会という3つの側面が調和した状態を目指すものです。どれか一つが欠けていれば、真の意味での健康とはいえません。健康づくりに取り組む際も、身体面だけでなく、心の健康や人とのつながりにも目を向けることが大切です。
健康を維持・増進するために必要な要素として、「栄養(食事)」「運動」「休養(睡眠)」の3つが挙げられます。厚生労働省も、この三要素のバランスが健康づくりの基本であると位置づけています。
健康な身体を維持するための土台となるのが、日々の食事による栄養摂取です。五大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランスよく摂取することが基本となります。
食事において重要なのは、エネルギーの「量」と「質」です。摂取カロリーが消費カロリーを大幅に上回ると肥満につながり、逆に不足すると栄養不良になります。また、同じカロリーでも、何からエネルギーを摂るかによって健康への影響は異なります。
野菜や果物を十分に摂取すること、塩分や糖分を控えめにすること、加工食品に偏らず多様な食材を食べることなどを心がけましょう。
適度な運動は、身体的健康だけでなく、精神的健康にも良い影響を与えます。運動によって心肺機能が向上し、筋力が維持され、生活習慣病の予防にもつながります。
厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」の中で、成人は1日60分程度の歩行またはそれと同等以上の身体活動を行うことを推奨しています。特別な運動をしなくても、通勤で歩く、階段を使う、家事をするなど、日常生活の中での身体活動を増やすことから始められます。
運動には、ストレス解消効果や睡眠の質を高める効果もあります。無理のない範囲で身体を動かす習慣を身につけることが、健康維持の鍵となります。
休養は、身体と心を回復させるために欠かせない要素です。特に睡眠は、疲労回復、免疫機能の維持、記憶の定着、ホルモンバランスの調整など、さまざまな役割を担っています。
成人の理想的な睡眠時間は一般的に7〜8時間とされていますが、個人差があります。重要なのは、日中に強い眠気を感じず、すっきりと目覚められる睡眠を確保することです。
休養は睡眠だけでなく、趣味の時間を持つ、自然の中で過ごす、何もしない時間を設けるなど、心身をリラックスさせる活動全般を含みます。忙しい現代社会では休養が軽視されがちですが、健康維持には不可欠な要素です。
WHOが定義する健康の3つの側面(身体的・精神的・社会的)と、健康維持の三要素(栄養・運動・休養)は、密接に関連しています。
たとえば、バランスの良い食事は身体的健康の基盤となり、運動は身体面だけでなくストレス解消を通じて精神的健康にも寄与します。十分な休養は心身の回復に必要であり、良好な人間関係の中で食事や運動を楽しむことは社会的健康にもつながります。
健康づくりに取り組む際は、栄養・運動・休養のどれか一つに偏るのではなく、三要素をバランスよく整えることで、身体的・精神的・社会的に良好な状態を目指しましょう。
現代社会では、ライフスタイルの変化に伴い、健康に関するさまざまな課題が生じています。
身体的健康の面では、運動不足や食生活の乱れによる生活習慣病の増加、高齢化に伴う要介護者の増加などが挙げられます。
精神的健康の面では、ストレス社会といわれる中で、うつ病や不安障害などの精神疾患が増加しています。働き方改革やメンタルヘルス対策が社会的に求められるようになってきました。
社会的健康の面では、核家族化や単身世帯の増加、地域コミュニティの希薄化などにより、社会的孤立が問題となっています。特に高齢者の孤独は深刻な社会課題であり、健康寿命にも影響を与えています。
健康を維持するためには、個人の努力だけでなく、社会全体で健康づくりを支える環境を整備することも重要です。
健康とは、WHOの定義によれば「身体的・精神的・社会的に、すべてが満たされた状態」を指します。単に病気がないというだけでなく、3つの側面がバランスよく整っていることが真の健康といえるでしょう。
身体的健康、精神的健康、社会的健康は相互に関連しており、どれか一つが欠けると他の側面にも影響が及びます。全人的な視点で健康を捉え、すべての側面に気を配ることが大切です。
健康を維持・増進するためには、「栄養」「運動」「休養」の三要素をバランスよく整えることが基本となります。日々の食事に気を配り、適度に身体を動かし、十分な休養をとることで、身体的・精神的・社会的に良好な状態を目指していきましょう。
健康は人生を豊かに送るための基盤です。今日からできることを一つずつ実践し、自分自身の健康と向き合ってみてください。